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【埼玉】

台風19号 浸水家屋で懸命の片付け 東松山などで158人避難

越辺川の決壊現場を調べる国交省の堤防調査委員会。週末の雨を前に応急工事が急ピッチで進められていた=川越市で

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 台風19号の影響で、県内は十七日も、住民やボランティアが浸水した家屋の片付けに汗を流した一方、専門家が甚大な被害をもたらした河川の決壊の原因を調査した。県の同日午後三時現在のまとめでは、東松山、坂戸、川越市で計百五十八人が避難生活を続け、秩父市と寄居町の計三十五世帯で断水している。(渡部穣、中里宏、飯田樹与、寺本康弘)

◆決壊現場を視察 国交省堤防調査委

 堤防が決壊した東松山市の都幾(とき)川と川越市の越辺(おっぺ)川など三カ所では、国土交通省関東地方整備局が決壊の原因究明のために有識者で設置した「堤防調査委員会」(委員長・安田進東京電機大名誉教授)が、現地調査を実施した。

 安田委員長は、堤防決壊の原因には、川の水があふれ出て堤防を破壊する「越流破壊」▽流れが堤防を削り取る「洗掘(せんくつ)」▽堤防に浸透した水による「パイピング破壊」−の三つがあると指摘。「当日の水位の変化や堤防の土質、堤防の下の地盤を追加で調査しないと原因は分からない。原因を特定した上で復旧工法を提案したい」と述べた。

 今回の堤防決壊が河川の合流部で起きていることについては「合流部は水位が上がったり、下がったり複雑な状況になる。両方の河川の水位観測の結果を基に分析したい」。比較的狭い範囲での複数の堤防決壊に関して「私が知っている限りでは、なかなかない」として「超大型台風が広範囲にもたらした多量の雨水が流れてきたと思っている」と語った。

 調査に同行した関東地方整備局の佐藤寿延(ひさのぶ)河川部長は「週末の雨に備えて二十四時間態勢で、決壊箇所の応急工事を進める」と話した。

◆県営住宅53戸分を被災者に無償提供 きょうから受け付け

 県は、自宅が被災した人を対象に、さいたま市や所沢市など県内二十一市町にある四十五団地の計五十三戸を無償提供する。十八日午前九時から電話での受け付けを始める。

 対象者は、自宅が床上浸水など大きな被害を受け、罹災(りさい)証明書の提出が可能か、見込める人。収入や世帯構成は問わない。家賃や敷金は免除され、最長六カ月間、借りられる。光熱水費は自己負担で、布団や家財などはない。駐車場は空きがあれば有料で貸し出す。

 浸水被害の大きい川越、東松山市民で各市内の県営住宅を希望する場合はそれぞれ川越市建築住宅課=電049(224)6049、東松山市住宅建築課=電0493(21)1424=へ。その他の市町村に住む人は県住宅課=電048(830)5564=へ。

 受け付けは申し込み順で、平日午前九時〜午後五時。十九、二十日は土日も対応する。

ぬれた畳を運び出すボランティアの学生たち=東松山市で

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◆大東文化大ラグビー部 助っ人に 浸水被害の東松山で災害ごみを運び出し

 近くを流れる都幾(とき)川の堤防が決壊し、多くの住宅が浸水被害を受けた東松山市早俣地区では、市内にキャンパスがある大東文化大のラグビー部員二十一人ら学生ボランティア計約三十人が、大量の水が流れ込んで壊れた家財道具など災害ごみの処理に苦しむ住民を手助けした。住民らは「若い人たちが来てくれると雰囲気が明るくなる」などと、頼もしい助っ人の登場を歓迎していた。

 一階部分が全て浸水したという千代田皓子(てるこ)さん(75)宅には、ラグビー部員と監督の計七人が訪問。長男(49)との二人暮らしで、ぬれて重くなった畳や冷蔵庫、洗濯機など、使えなくなった重い家財道具を運び出すのに苦労していたという。千代田さんは「若くて力のある人は本当に助かる」と、次々とごみを運び出す学生たちに感謝していた。

 ともにラグビー部四年の藤井大喜副主将(22)と戸巻大輔さん(22)は「ラグビー以外で役に立てて、うれしい」と話した。ラグビーワールドカップ(W杯)の試合が台風の影響で中止になった岩手県釜石市の被災地でボランティア活動をしたカナダ代表に刺激を受けていたという。

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