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【埼玉】

台風19号から1週間 多くの施設、使用困難

 台風19号の上陸から一週間となった十九日、県内は再び雨に見舞われた。堤防決壊現場の復旧工事が終わらない中で、新たな河川氾濫も心配されたが、危険になるほどの水位上昇はなかった。県などによると、同日現在で約百四十人が避難生活を余儀なくされている。一方、多くの施設が水害で使用できない状態が続くなど、影響は多岐にわたっている。 (渡部穣、近藤統義、飯田樹与、中里宏)

◆日本一の木製水車 川の博物館、休館

荒川からあふれた水で一部が浸水し、休館が続く県立川の博物館。手前の河川敷には自動販売機が横倒しになっていた=16日、寄居町で

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 日本一の大きさを誇る木製水車がシンボルの県立川の博物館(寄居町)も、一部施設が浸水被害を受けた。駐車場やトイレ、水車のポンプ室などが使用不能となり、十二日から休館が続いている。

 平山良治館長は「水車のポンプの修理と、駐車場の整備をし、年内にも仮営業で再開したい」と話している。

 平山館長によると、近くを流れる荒川が増水してあふれ、低い敷地部分に流れ込んだ。渓流魚の観察ルームや子どもが水遊びをできるウオーターアスレチック施設などは流木やごみで一部破壊され、いずれも復旧まで相当の時間がかかるとみられる。敷地内の小川に架かっていた「かわしろうばし」も押し流された。

 一方、高台にある本館や本館内の事務所、水車本体、レストハウスなどは浸水を免れた。夏用の水遊び場の修復を後回しにするなどし、完全復旧を待たないまま、仮営業は可能としている。

◆彩湖の公園、再開めど立たず 調整池の貯水、過去最大

荒川の増水で冠水した彩湖・道満グリーンパークの野球場=13日、戸田市で

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 戸田市では、荒川沿いにあって冠水した公園「彩湖・道満グリーンパーク」が閉園し、再開のめどが立っていない。彩湖は増水時に「荒川第一調整池」として機能し、たまった水が公園に流入したためだ。

 国土交通省荒川上流河川事務所によると、同調整池の貯水能力は東京ドーム三十一杯分の約三千九百万立方メートル。今回は過去最大の約三千五百万立方メートルがたまったという。

 公園の一角にプロ野球・東京ヤクルトスワローズの二軍戦を行う球場があるが、十三日にはスコアボードの上部を残して水没していた。市によると、現在も一部で水が引かず、大量の泥やごみが堆積している。

 市は、公園を会場に約六千人の出走を予定していた十一月十七日の「戸田マラソンin彩湖」の中止を決定。担当者は「開催は一カ月先だが、今の状況を見ると難しい」と話している。

◆いまだ142人避難 住宅被害は4230棟 県内、19日現在

 県内に甚大な被害をもたらした台風19号の襲来から十九日で一週間。県の同日午後二時現在のまとめでは、避難者は東松山市、坂戸市、ときがわ町の百四十二人。寄居町で一世帯が断水のほか、秩父市中津川、小鹿野町薄小森、ときがわ町大野、越生町龍ケ谷で土砂崩れが発生し、車が行き来できない状態が続いている。

 大雨特別警報が発表されたのは県内で初めてだった。十三日午前八時のピーク時には三万百四十七人が避難。災害救助法が四十八の市町村に適用された。

 今回の台風では越辺(おっぺ)川(東松山市、川越市)、都幾(とき)川(東松山市)、新江(しんえ)川(同市)の三河川五カ所で堤防が決壊。五十カ所で川の水が堤防を越え、東松山市、川越市、坂戸市など広範囲にわたって浸水した。

 住宅被害は四千二百三十棟に及ぶが、このうち床上浸水が三十九市町村・千八百五十八棟、床下浸水が五十二市町村・二千二百八十七棟に上った。

 鳩山町と東松山市で男女二人が死亡、三十人がけがを負った。

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