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【埼玉】

<線路は続くよ 西武秩父線開通50周年> (下)増える秩父観光客

平日にもかかわらず、観光客が行き交う番場通り=秩父市で

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 十月上旬、秩父神社に続く秩父市中心市街地の番場通り。レトロなたたずまいの土産物店や飲食店が軒を連ねる。平日の昼下がりにもかかわらず、県外ナンバーの車が行き交い、若いカップルや女性のグループが食べ歩きを楽しんでいる。

 十年ほど前から秩父を訪ねているという東京都江東区のセラピスト宍戸真由美さん(42)は「今回は秩父今宮神社が目当て。秩父の魅力は豊かな自然と地物野菜の新鮮さかな。休みがある時にフラッと電車で来られるのがいい」とほほ笑む。

 秩父、横瀬、皆野、長瀞、小鹿野の秩父地域一市四町を訪れる観光客は年々増加している。秩父地域おもてなし観光公社によると、二〇一一年度の観光客数は八百四万八千人。一七年度は九百八十二万五千人と、統計を取り始めて以降の過去最高を記録した。

 翌一八年度は、羊山公園のシバザクラの最盛期が大型連休前に終了し、冬の秩父夜祭が平日開催だったため、わずかに減ったが、同公社の井上正幸事務局長は「外国人を含め、まだ伸びるのは間違いない」とみる。

 背景にあるのは、西武鉄道の「秩父推し」だ。「サーベラス問題」に前後し、レストラン列車「52席の至福」の運行や「西武秩父駅前温泉 祭の湯」の営業開始など、矢継ぎ早に秩父を売り出してきた。

 奥秩父・三峯神社での雲海鑑賞ツアーや、秩父産の酒類を味わう「ちちぶ乾杯共和国建国宣言DAY」など、沿線の自治体や民間団体などと連携した取り組みも目立つ。

 西武秩父駅の年間乗降客数は一三年度の二百四十八万七千人から、一八年度には二百六十三万八千人へと約6%増えた。特に金曜の夜からの女子旅の魅力をPRするテレビCMの効果は大きかったといい、関係者からは「観光客が三十四カ所の札所を回る中高年層から、若い女性に広がった」との声も上がる。

 ただ、今後の秩父の観光を巡っては懸念材料もある。観光客が、地元の受け入れ可能な状況を超えて押し寄せるオーバーツーリズムの問題が出てきた。実際に三峯神社で配布していたお守り「白い気守」は、入手しようとする参詣客の車で周辺道路が混雑し、一八年六月に配布が中止された。

 井上事務局長は「人気の観光スポットが駅周辺などに偏る傾向があり、観光客を秩父全体に行き渡らせる必要がある。今後も西武とは手を取りながら、ウィンウィンの関係を築いていきたい」と見通している。

 

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