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【埼玉】

作業一つに 魂入れて 久喜の池内さん「現代の名工」に

はんだ付けを披露する池内さん=久喜市の日本信号久喜事業所で

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 伝統工芸や工業技術などの分野で卓越した技能者を厚生労働相が表彰する本年度の「現代の名工」に、県関係者5人が選ばれた。このうち、電気通信機械器具検査工の分野で選出された日本信号久喜事業所(久喜市)の池内俊雄さん(50)=同市=に喜びと仕事への思いを聞いた。

  (寺本康弘)

 「受賞は職人人生の最終目標としていたので感無量です」

 二十二歳で入社して以来、約三十年にわたり、鉄道信号保安装置の検査や修理に携わってきた。

 鉄道会社に納める製品の中には、十五〜二十年の長期間にわたって使われる物もある。求められる品質の高さを、厳しい目と高い技術で支えてきた。特に評価されるのは基板のはんだ付け。製造は機械による自動化が進んでいるとはいえ、緊急を要する修理は屋外の現場でする場合も。そんな時、職人の技術が生きる。夏と冬では気温も湿度も違う。経験と知識で気候や材質の特徴を見極め、限られた時間の中ではんだ付けをする。仕上がりは機械よりも美しい。

 子どもの頃からものづくりが好き。小学校一年でゲルマニウムラジオを製作し、五年の時にはトランシーバーも作った。一方、職人としての姿勢は大工の父から学んだ。一つ一つの作業を完璧にしつつ、掃除や片付けも大切にする。それが客の信頼を得ていた。

 現在は後輩の指導にも当たる。そこでも一つ一つの作業の大切さを伝える。例えば、基本でありながら大事なねじ締め。単に締めるだけと思っていては締め忘れにつながる。対策にチェックリストを作っても、チェックがただの作業になっていてはミスが起きる。「魂を入れて仕事をすることが大事」。刀鍛冶が刀を作る時のように心を込める。それがものづくりで最も大切と説く。

◆県内からは5人

 現代の名工に選ばれた他の県関係者は次の皆さん。 (敬称略)

 渋谷勝市(59)=建築板金工・越谷市▽波多野真寿与(73)=婦人、子供服注文仕立て職・川島町▽三浦幸治(48)=電気配線工事作業者・八潮市▽小嶌美恵子(76)=婦人、子供服注文仕立て職・越谷市

 

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