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【埼玉】

往来、物資運搬 助け合い 生活に困難 中津川の住民

 秩父市街地に通じる県道の車両通行止めは限定的に解除されたが、同市中津川地区ではこの間、人の往来や物資の運搬に多くの支障を来した。住民たちはともに助け合いながら、苦境を乗り越えようと努めた。

 「急病の人は出ていないから大丈夫。ただ、この地区にヘルパーさんが来られなくなって」。民生委員の山中三千恵さん(70)は振り返る。山中さんはヘルパーの代わりに一人暮らしの女性(84)の食事をつくったり、ごみ出しをしたり。急場しのぎに追われた。

 中津川地区は秩父市の中心市街地から西へ約三十キロ。車で約一時間の場所にある。標高約七百メートルの荒川支流・中津川の傾斜地に、七十〜八十代の高齢者ら十五世帯十八人が暮らす。

 崩落で、県道の道幅は約八・五メートルから一メートルほどに。車両が通れない間は、この細い道を徒歩で行き来するほかなく、往来は「車−徒歩−車」のリレー状態。生活に必要な物資は一輪車での運搬を強いられた。住民は自動車販売会社から軽乗用車二台の提供を受け、中双里から市街地方面の行き来に活用していた。

 この事態に地元の消防も対応した。台風被害の後、地区には秩父消防署の職員が交代で常駐。地区内を回って住民の安否に気を配ったほか、消防車両を使って生協が宅配する食料品や日用品の運搬も担った。電気や水道といったライフラインには問題がなかったこともあり、大きな混乱は生じなかったという。

 ただ、住民生活に全く問題がないわけではなかった。元教員の山中寛二郎さん(81)は、市街地の病院で今月初旬に予定していた精密検査の日程をキャンセルせざるを得なくなった。山中さんは強調する。「この道に生活の全てがかかっているんだ」 (出来田敬司)

 

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