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【埼玉】

ロシアの名門で念願のタクト サンクトペテルブルクフィル さいたま出身・清水雄太さん

ロシア・サンクトペテルブルクフィルハーモニー交響楽団で指揮をとる清水さん=10月10日、サンクトペテルブルクで

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 ロシアの名門サンクトペテルブルクフィルハーモニー交響楽団で十月、さいたま市(旧大宮市)出身の指揮者清水雄太さん(37)が初めてタクトを振った。外国人がチャンスを得るのは難しい世界だが、清水さんは指揮者を目指し、ロシアに渡って十年余りで念願を達成。聴衆から喝采を浴びた。 (サンクトペテルブルクで、栗田晃)

 十月十日、サンクトペテルブルク中心部にあるコンサートホール。清水さんはオーケストラを率い、作曲家グリーグの「ペールギュント」の世界を時に情感豊かに、時に厳粛に表現した。八百人の聴衆からも「とてもエネルギッシュな指揮で、将来性を感じた」などと賛辞が相次いだ。

 清水さんは市立芝川小学校五年のころ、合唱団の指揮者を見て憧れた。小澤征爾さんら著名な指揮者にも影響を受け、「指揮を通じて、自分でオーケストラのいろんな楽器を奏でているような感覚に魅力を感じた」と振り返る。

 親の反対もあり、一般の大学に進んだが、夢を諦められず、二〇〇八年、チャイコフスキーらも学んだ国立サンクトペテルブルク音楽院の指揮科に留学。留学中は、県の奨学金を受けた。卒業後はロシア、日本をはじめ各国で経験を積み、今回、指揮を学んだ街の最高峰の舞台に立った。

 出演の決まった半年前から楽譜を読み込み、準備。ロシア語も堪能で意思疎通も苦労せず、オーケストラのメンバーも「彼は優れた技術を持ち、楽譜の理解が深くて、曲の形をよく感じている」と高く評価した。

 現在は息子を支援する父・光男さん(68)、母・美月さん(60)も、さいたま市から駆け付けて、感無量の様子で見守った。まだ確固たる評価を得たわけではないが、指揮者は七、八十代までできる仕事と先は長い。清水さんは「諦めずにやってきて良かった。人間性が物をいうのが指揮者。身に付けた技術を基礎に、今後は自分の音楽をつくっていきたい」と抱負を語った。

 

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