東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 埼玉 > 記事一覧 > 11月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【埼玉】

新ごみ処理場で吉見町長 昨年8月「事業進められぬ」

埼玉中部資源循環組合が入る吉見町福祉会館=吉見町で

写真

 九市町村で吉見町に新たなごみ処理場建設を目指したものの、余熱利用施設(付帯施設)の運営費負担を巡る対立から解散が決まった「埼玉中部資源循環組合」。昨年八月に管理者の宮崎善雄・吉見町長が、組合の他の首長を訪問し「今の場所ではできない」「事業は進められない」と伝えていたことが、本紙が入手した正副管理者(九市町村長)会議の議事録などから分かった。宮崎町長の管理者辞任表明後も、負担割合の実質的な調整に入れず「信頼関係が失われている」として、一気に解散に向かったことも判明した。 (中里宏)

 新処理場の予定地は、吉見町と鴻巣、北本両市でつくる「埼玉中部環境保全組合」が運営する現在のごみ焼却場の隣接地。この焼却場建設を巡っては反対住民との訴訟で一九八六年、川島町まで含む一帯には「ごみ処理施設を新設または増設しない」との和解が成立していた。

 しかし、吉見、東松山、桶川、滑川、嵐山、小川、川島、ときがわ、東秩父の九市町村で新たに設立した資源循環組合は「組合の構成が変わり、(和解当事者の)組合とは別団体」として計画を進めた。「和解条項違反」として住民訴訟の提起が相次いだが、正副管理者会議では、この場所での新処理場建設の是非については、議論がなかった。

 宮崎町長の昨年八月の発言は、解散を決めた今年十月五日の同会議で複数の首長が言及していた。その首長の一人は本紙の取材に「このままでは裁判に負けると考えていたのではないか」と話した。一方、宮崎町長は「付帯施設について地元の理解がなければできないという意味で、裁判とは関係ない。誤解していると思う」と否定している。

 付帯施設の運営費を協議した副市町村長会議で、人口割りに近い負担割合を求める吉見町の主張が受け入れられなかったとして、宮崎町長は今年七月の正副管理者会議で管理者辞任の意向を表明していた。政治判断ができる首長による同会議でも実質的な調整に入れず、八月の会議では複数の首長から「信頼関係が失われている」との発言まで飛び出し、組合は解散に向かった。

 九市町村の各議会は十二月定例会で、組合解散に関する議案を審議する。

 八六年の和解の当事者で、今回も新処理場の建設差し止めを求める住民訴訟の原告になった男性(85)は「中止にはなったが、なぜ(造らないことで)和解した土地に造ろうとしたのか」と疑問を訴える。宮崎町長は「組合解散後、予定地選定も含めて事業を検証する」と話している。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報