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【埼玉】

<国吉好弘の埼たまNOW>来季J1の昇降格 浦和残留、大宮昇格へ期待

浦和−アルヒラル 前半、FKのボールを防ぐ浦和イレブン=24日、埼玉スタジアムで

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 11月は埼玉のサッカー界にとって、喜びが重なる月になるはずだった。浦和レッズはアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)で3度目の優勝を飾り、大宮アルディージャはJ2で2位以内を確定して来季のJ1昇格を決めることが期待されていた。

 ところが、レッズはサウジアラビアのアルヒラルにアウェー(0−1)、ホーム(0−2)ともに敗れて優勝はならず、アルディージャはラスト3試合で1勝も挙げることができずに3位に終わった。

 アルディージャはプレーオフを戦い、J1昇格を果たす可能性も残すが、レッズはもはや獲得できるタイトルはなく、J2へ落ちる可能性も抱えて残留争いにさえ巻き込まれた。

 振り返ると、レッズは完全に力負けだった。2年前に2度目の優勝を果たした時も同じ相手だった。レッズが今季J1で苦しんでいるように、2年前から力を落としてしまったと言わざるを得ないのに対し、アルヒラルは強力な外国人を加え、彼らとサウジアラビア代表の主力をうまく組み合わせて、組織的プレーも高めた優秀な監督も手にしていた。その間、レッズは3回も監督が代わった。

 来季に向けて強化体制が変わることがすでに発表されたが、新任の土田尚史(ひさし)スポーツダイレクター、西野努テクニカルダイレクターはともにレッズで選手としても活躍した人物。やや停滞感のあるチームを新しく生まれ変わらせてくれることを期待したい。

金沢−大宮 後半、ボールを追う大宮・大前選手=24日、石川県西部緑地公園陸上競技場で

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 一方、アルディージャは12月1日にJ2で6位のモンテディオ山形と戦い、勝てば徳島ヴォルティスとヴァンフォーレ甲府の勝者と顔を合わせる。それに勝つと、J1の16位チームと最後の昇降格を決める試合に臨むことになる。3連勝しなければならず、簡単な道のりではないが、絶対に勝ち抜くという強い意志と覚悟を持って臨みたい。

 気になるのは、最後の3試合で勝利を挙げることができなかったように、ここ一番というところでのメンタルの弱さと、相手の守備的な戦いを打開する術が不足していることだ。リーグ戦終盤で、優勝した柏レイソルを2−1で下し、アビスパ福岡を3−0で退けて2位に浮上しながら、栃木SC、アルビレックス新潟、ツエーゲン金沢といった中位以下のチームに勝ちきれなかった。

 J2同士のプレーオフでは、上位のアルディージャは引き分けでも勝ち抜けるが、引き分けでも良いという消極的な姿勢では危ない。これまでもプレーオフでは、勝たなければならない下位チームが結果を残すことが多い。チーム力では明らかに他の3チームを上回っているのだから、自信を持って攻撃的にプレーすることが必要だ。

 そこで期待したいのが決定力の高い大前元紀だ。昨季は24ゴールを挙げてJ2得点王となりながら、今季は調子を落として出番も減り、わずか5点に終わっている。しかし、やはりシュートのうまさ、得点感覚という意味ではチーム1。ここのところスーパーサブ的な使われ方が多い。それでも相手の脅威にはなるが、やはりスタメンから長い時間プレーさせて、多くのチャンスをつかませたい。

 個人の力で打開でき、勢いのある奥抜侃志(おくぬきかんじ)と2シャドーを組ませ、茨田陽生(ばらだあきみ)をボランチに下げるくらいの攻撃的な布陣で、まずゴールを目指したい。ACL決勝で、ホームでの第1戦1−0の勝利を挙げたアドバンテージを持ちながら、第2戦も積極的に攻めてレッズを陥落させたアルヒラルのように、気持ちで優位に立つことが重要だ。

 12月こそ、埼玉サッカーが喜びに包まれた年越しとなるように願いたい。

 (サッカージャーナリスト)

 

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