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【埼玉】

秩父事件、新たな史実 石碑や子孫ら訪ねた歴史本・野口さん5年ぶりに改訂

「石碑が語る秩父事件百三十年」の増補改訂版を手に取る野口さん=秩父市で

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 長瀞町本野上の郷土史家野口正士(まさし)さん(77)が、明治時代の秩父地方の農民らの武装蜂起「秩父事件」についてまとめた著書「石碑が語る 秩父事件百三十年」の増補改訂版を出版した。蜂起した農民のその後の暮らしぶりなど、五年前の初版当時から新たに判明した史実を加えた。緻密な調査を重ねた専門書として、識者らの関心を集めそうだ。 (出来田敬司)

 秩父事件は一八八四(明治十七)年、秩父地方の農民らが、負債の延納、租税の軽減などを求めた武装蜂起。野口さんは二〇一四年、発生から百三十年を機に、記念碑や顕彰板、農民らの親類らを訪ね歩き、初版を発刊していた。

 改訂版は、蜂起に加わった上吉田村(現秩父市)の島崎嘉四郎や、藤倉村(現小鹿野町)の東市重(ひがしいちじゅう)の足跡などを新たに加えた。

 島崎は事件後、甲府に逃亡。千野多重と名を変えて所帯を持ったが、晩年は自身の顔写真を上吉田村の実家に送り、故郷をしのんでいたことが判明。東は金屋(本庄市)の戦闘で警官隊によるとみられる銃撃で死亡したが、子孫が今も生家の近くで暮らしていることなどが分かった。

 野口さんは「子孫の元に足しげく通い、仏壇や墓を見せてもらうことで歴史が分かる。農民たちはきっと自由な世の中を求めて蜂起したのだろう」と話す。

 B5判、百七十四ページ。税込み二千五百円。秩父市内の主要書店などで販売。問い合わせは野口さん=電090(2468)5273=へ。

 

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