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【埼玉】

「リノベ」で草加市街地 活性化へ 「寝に帰る」から「暮らす」に

「おーぐぱん」を開いた小倉さん(左)と妻の渚さん。あんパンやカレーパンが人気という

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 草加市で、古い遊休不動産を有効活用する「リノベーション」を中心市街地の活性化に生かす取り組みが進んでいる。市が3年前から開く起業塾を通し、昨年度までに7軒が再生され、今年11月にはさらにパン屋とカフェもオープン。東京のベッドタウンとして発展してきた一方、個性に乏しいとも言われる街に、新たな魅力が生まれつつある。 (近藤統義)

 東武線草加駅東口の旧日光街道沿いにあるパン屋「おーぐぱん」(同市神明)。東京の有名店で修業した小倉拓馬さん(32)が町家造りの建物を改修し、地元での独立を実現した。売り切れが続出するなど、早くも人気を集めている。

 かつては雑貨店だったが、東日本大震災で被災して閉店。その後は貸事務所になり、にぎわいは減っていた。「ここで地域の人が顔を合わせ、和めるような場所になれば」と思い描く。

 一方、マンションの半地下にある空き店舗をリノベーションしたのが、カフェ「PAKAN(パカン)」(同市中央)。市出身の森寺彩乃さん(31)が物件を購入し、こだわりのコーヒーやおやつを提供する。

 「地域の日常に寄り添える店」を目指し、店内は木のぬくもりが感じられる落ち着いた空間に仕上げた。教育関係の会社で働いた経験から、営業後の夕方に子どもたちを招き入れて遊びや勉強に使ってもらいたいとも考えている。

 二人の夢を後押ししたのが、市が二〇一六年から実施している「リノベーションスクール」だ。公募で参加した受講生たちが空き店舗の活用案を三日間で考え、事業化を目指す起業塾で、一一年に北九州市でスタートしてから全国各地に広がった。

 過疎化が進む地方都市では衰退したシャッター街の再生手法として注目されるが、隣接する東京から人口が流入する草加市の場合は事情が異なる。市内で買い物や飲食を楽しむ人が少なく、消費が市外に流出するのが課題だった。

 そんな「寝に帰るだけの街」を変えるためのスクールは十一月末、第四回を迎えた。旧日光街道という公共空間そのものをテーマとし、歩行者天国で食べ歩きができたり、子どもの遊び場として開放したりするなどのアイデアが提案された。

 市産業振興課の担当者は「スクールの対象物件以外にも八軒がリノベーションされ、波及効果を感じている。エリア全体の価値をさらに高めていきたい」と話している。

空き店舗を再生した「PAKAN」。森寺さんがこだわりのコーヒーを提供する=いずれも草加市で

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