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【埼玉】

日本の人形文化 岩槻から魅力を さいたま市、来月「博物館」開業 

来月22日にオープンする岩槻人形博物館の外観(さいたま市提供)

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 全国初の公立の人形専門博物館として、さいたま市が2月22日にオープンする岩槻人形博物館。旧岩槻区役所跡地(同市岩槻区本町6)に立地し、収蔵資料は国内外から5000点以上が集まった。館内には修復専門の部署を設ける予定で、日本の人形文化の魅力を発信する拠点として期待される。 (藤原哲也)

 東武線岩槻駅の周辺には、今も昔ながらの人形店が点在する。地元の岩槻人形協同組合によると、戦前の一九三七年には千人以上が人形作りに携わっていたが、現在の加盟数は個人を含めて五十七社。少子化やライフスタイルの変化で最盛期には遠く及ばないが、ひな人形の季節などは活気に包まれる。

 博物館は、延べ床面積約二千平方メートルの平屋。城下町の街並みに合った和風の外観が特徴で、総事業費は約四十二億円。同じ敷地内には「にぎわい交流館いわつき」も整備中で、博物館と同時オープンする。

 館内は三つの展示室や会議室、カフェなどを配置。展示室は埼玉の人形作りをテーマにした常設展やコレクション展、企画展が開かれる。収蔵資料は人形研究家で収集家としても著名だった西沢笛畝(てきほ)(一八八九〜一九六五年)のコレクションを柱に江戸後期〜昭和初期が中心。国内でも屈指のレベルだという。

羽子板が並ぶ東武線岩槻駅前の人形店

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 修復部門には専門の非常勤職員四人を配置し、優れた人形の保存に役立てる。ただし、収蔵品のうち岩槻で作られた人形は十点程度にとどまる見込みだ。

 幼子の顔を描いた犬の形の小箱である犬筥(いぬばこ)は、江戸時代に嫁入り道具として使われたもの。安産のお守りや化粧道具が納められたとされる。横幅が四十センチ以上あり、現存するものとしては最大級の大きさだ。ふっくらとした姿が特徴の御所人形も江戸時代のもので、公家や大名の贈答品や土産に重用されたという。

 昨年十一月に市内であった発表会で、清水勇人市長は「これで市を代表する人形、盆栽、鉄道、漫画の四つの文化施設がそろう。文化芸術の魅力を国内外に発信したい」と強調。元県立博物館長で、人形博物館の館長に就任予定の林宏一さんは「人形は日本の工芸の中でマイナーな存在だったが、研究調査を通じてその魅力を広く知ってもらう役割を果たしたい」と決意を語った。

 発表会では、林さんと評論家の山田五郎さんらによるトークショーもあった。山田さんは「いい物がまとまって見られるので楽しみ。日本の人形文化がフィギュアやアニメなど現在のサブカルチャーのベースになっていることも伝われば」と期待を寄せた。

昨年11月のトークショーで岩槻人形博物館への期待などを語る山田さん(中)と林さん(左)ら=いずれもさいたま市で

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