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【埼玉】

国指定目指す「デーノタメ遺跡」巡り北本市長 「後世に残す努力する」

デーノタメ遺跡の国指定史跡に向けた保存を求める要望書を三宮市長(左)に手渡す日本考古学協会の近藤英夫副会長

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 北本市南部にある縄文時代の遺跡「デーノタメ遺跡」について、市は5日、日本考古学協会(東京都)から国指定史跡に向けた計画立案の要望を受け、財産として地域づくりに活用する方向で検討すると回答したと明らかにした。三宮(さんぐう)幸雄市長は「遺跡は国民の財産。後世に残す努力をすることは首長としての責務」と、遺跡保存の重要性を強調した。 (渡部穣)

デーノタメ遺跡の発掘作業の様子

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 デーノタメ遺跡を巡っては、中央を寸断するように走る幅約十八メートルの都市計画道路「西仲通線」と、それにTの字に接続する幅約十四メートルの同「南2号線」の建設が計画されている。しかし、三宮市長は「日本考古学協会から後押しを受けた。道路は遺跡の評価を下げる」として、建設中止の検討を示唆した。これまでは文書や写真だけ残すことも選択肢に含まれていたが、「記録保存は考えていない」と否定。「残る任期三年以内に国指定史跡への申請を目指す」とし、今後、近隣住民や地権者、議会などへ理解を求めるという。

 市教育委員会によると、デーノタメ遺跡の低地には湧き水によるため池跡もあり、縄文人の生活を支えた水源と集落跡がセットで残る貴重な遺跡。漆塗りの土器片やクルミの殻などのごみ捨て場跡、食用植物の種子、木材なども多数発掘され、縄文時代の生活を復元可能な資料が豊富という。

 「遺跡を市の特性と個性としたい」と三宮市長。「『縄文文化都市北本』の価値を街づくりに生かさない手はない」と力説した。

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発掘された漆塗りの土器片=いずれも北本市で、市教育委員会提供

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 北本市は二十四日、「デーノタメ遺跡が拓(ひら)く縄文の世界 縄文の漆工芸を科学する」と題したシンポジウムを市文化センターホールで開く。午後一〜五時、入場無料。四人の識者が遺跡の魅力を語る。問い合わせは、市教委文化財保護課=電048(594)5566=へ。

<デーノタメ遺跡> 1969年、北本市下石戸下地区の雑木林で見つかった約6ヘクタールの遺跡。縄文時代中期(約5000年前)から後期(約3800年前)までの三つの集落跡がある。デーノタメの呼称は、低地にあった湧き水によるため池を指す「出水(ですい)のため池」が語源という説と、付近の「台原」という地名が「デーッパラ」となまり、「デーッパラのため池」を略したという説がある。

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