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【埼玉】

<各駅停車>官能都市

 「ナンコシ」「シンコシ」と自然と口から出るのは、街になじんだ証しだろうか。職場から歩いてすぐの南越谷駅と新越谷駅。両駅周辺のにぎわいづくりに向け、越谷市が構想案をまとめた。キーワードは「官能都市」だ。

 市の真意は「人が肌で感じられる街の魅力」だという。高層マンションばかりの無機質な駅前ではなく、飲食店が混然とする味わいを生かした個性的なエリアにしたい、との思いのようだ。

 なるほど、駅近くの古びた居酒屋でのこと。店主の娘さんだろうか。学校の制服姿で入ってくるなり、「今日の試験どうだった?」。酔客に交じり、親子の会話が始まった。彼女は隅のテーブルで参考書を広げ、親父(おやじ)の手料理を食べると店を後にした。

 ほのぼのとした気分に浸り帰路に就くと、「オニイサン、オニイサン」。つたない日本語で呼び掛けられた。夜更けに駅前で待ち構える客引きの女性たちだ。温かさとあやしさと。これが官能都市か、と会得した。 (近藤統義)

 

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