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【埼玉】

殺意認定、母親に猶予判決 乳児殺人未遂 地裁「衝動は制御できた」

 二〇一七年に三郷市の自宅で生後十一日の長男の鼻と口をブランケットの上から押さえ付けて殺害しようとしたとして、殺人未遂の罪に問われた無職佐藤早智被告(27)の裁判員裁判で、さいたま地裁は二十五日、犯行時は心神耗弱だったが、衝動は制御できる状態だったとして、懲役三年、執行猶予四年(求刑懲役四年)の判決を言い渡した。

 田尻克已裁判長は判決理由で「この子がいなくなれば楽になれると思った」といった供述は信用できるなどとして殺意を認定。育児に悩んで重い適応障害になり、犯行時は心神耗弱状態だったと認めた上で、自ら犯行をやめ、夫に促されながらも救命措置をしたことから「衝動を制御する能力は残っていた」とし、刑事責任は問えると判断した。

 一方、「十分な支援を受けられず、育児の苦労を一人で抱え、精神的にかなり追い詰められていた」ことなどから、執行猶予が相当とした。

 佐藤被告はこれまでの被告人質問で、退院直後から長男が泣きやまず、母乳を飲まないことから「育児の自信がない」と悩んでいたと明かした。夫が励ますこともあったが、次第に食欲が衰え、不眠や過呼吸にもなった。両親からは距離を置かれ、児童相談所を調べても「電話番号が分からなかった」という。事件の二日前には自殺を図り、弁護側は「心神喪失状態だった可能性があり、責任能力はない」と主張していた。

 判決によると、一七年十一月二十日午前零時十〜二十分ごろ、自宅で長男の顔をブランケットで覆い、鼻と口を押さえ付けて殺害しようとした。長男は脳に全治不明の傷害を負った。 (浅野有紀)

 

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