東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 埼玉 > 記事一覧 > 3月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【埼玉】

<東京2020延期>県、機運維持へ催しを 県内会場、聖火内定者ら戸惑い

東京五輪・パラの延期が決まり、カウントダウンボードの表示が消された。大会まであと何日…=JRさいたま新都心駅で

写真

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて1年程度の延期が決まった東京五輪・パラリンピック。県内は4会場でサッカー、バスケットボール、ゴルフ、射撃の五輪4競技と射撃のパラ1競技が行われる。決定から一夜明けた25日、関係自治体などから急な変更に戸惑いの声が上がった。 (新型コロナウイルス問題取材班)

 「聖火リレーのありようが変わるのかと注目していたが、延期決定まで行くとは」。県オリンピック・パラリンピック課の斎藤勇一課長は驚いていた。一番の課題に挙げたのは会場の確保。四会場のうち県施設のさいたまスーパーアリーナ(さいたま市)は、ライブなどで人気で、再調整が難航する恐れもある。

 県は本年度までの五年間で、機運醸成やボランティア募集などソフト面の関係経費八億四千九百万円を投入。来年度も十八億八千四百万円の予算を計上した。今後は事業を精査し、盛り上げ維持のためのイベント開催を検討する。

■競技開催地■

 サッカー、バスケ競技が行われるさいたま市は、競技会場やJRさいたま新都心駅、市内の博物館などを回遊するバスを準備し、既に契約が進んでいた。市の担当者は「スイッチを切り替えるしかない。来年、同じ状態でできればいいが…」と困惑する。

 五輪・パラ両大会の射撃競技会場がある朝霞市の担当者は「数々のイベントを予定していたので、中止であればダメージが大きかった」とほっとした様子。ゴルフ競技が行われる川越市では、関連イベントのキャンセルなど関係先への連絡に追われた。小高浩人オリンピック大会室長は「延期はやむを得ない判断だった」と理解を示した。

■ホストタウン・ 事前キャンプ地■

 二十市町が、ホストタウンや事前キャンプ地となっている。アルジェリア・パラ委員会と協定を結ぶ北本市でも、ゴールボールなど四種目の代表選手ら計約七十人を受け入れる予定だった。四月に契約予定だったため「延期は残念だが、早めの決定で助かった」と担当者。コロンビアと五輪の事前キャンプの協定を結ぶ加須市は、今月予定されていた柔道チームの来日が既に中止に。七月に市内でいつでもキャンプができるよう、施設をおさえるなど環境を整えていた。担当者は「日程が早く決まるとありがたい」と気をもんだ。

■聖火リレー■

 県は、聖火ランナー内定者を優先してルートも維持する大会組織委員会の考えを支持するが、選ばれた人たちの思いは複雑だ。父や兄が一九六四年東京五輪の聖火台を制作した川口市の鈴木昭重さん(85)は「中止ではなく延期なので、走る望みは捨てていない」としつつ、兄の命日の翌日に当たるリレー本番を心待ちにしていた。「感染しないよう今年は花見も控えていた。高齢だから体を鍛え直さないと」と話した。

◆大野知事「ピンチをチャンスに」

 大野元裕知事は「現在のような状況では致し方ないが大変残念。ピンチをチャンスに変えて、歴史に残るような大会にしたい」と述べた。一方で、「開催会場や聖火リレーはそのまま維持されるべきだ」と考えを示した。

 一年程度と示された延期期間を「長いようで限られた時間」とし、「延期によって生じる課題を洗い出し、大会への機運は失わせることのないよう国や大会組織委と一体となって対応したい」と強調。新型コロナウイルスを完全に封じ込めることが前提になるとして、延期に合意した政府に、終息に向けた取り組みを強く求めた。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報