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【静岡】

富士市立、いざ頂点 全国高校サッカー県大会 きょうエコパで決勝戦

初の決勝進出を果たした富士市立イレブン=袋井市のエコパスタジアムで

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 全国高校サッカー選手権大会県大会の決勝が十六日、袋井市のエコパスタジアムである。創部三十年目で初優勝を目指す富士市立(富士市)と、二年連続で決勝で敗れている静岡学園(静岡市)が対戦する。キックオフは午後一時半。 (高橋貴仁)

 富士市立は優勝すれば県東部勢としても初となり、悲願達成に燃えている。静岡学園は強豪校として毎年安定した力を持ちながら、この二年は決勝で涙をのんだ。今年は新人戦と県総体でも決勝で負けており、今大会にかける思いは強い。

 両校は、個々人のテクニックを重視する特色で共通する。ドリブルやショートパスで相手守備を崩す攻撃が特徴で、富士市立は決勝トーナメント三試合で計8得点、静岡学園は計7得点を挙げた。富士市立の勝亦健太主将(三年)は「テクニックが自分たちの持ち味。決勝でも自分たちのサッカーをしたい」と話し、静岡学園の阿部健人主将(三年)は「相手もドリブルを生かしてくる。技術で相手を上回れるように戦いたい」と語った。互いに相手の個人技を警戒する。

 八月にあったプリンスリーグ東海の試合は4−3で静岡学園が勝利している。

 初の四強入りから決勝の舞台に駒を進めた富士市立。県東部の高校で初めて決勝進出を果たした快進撃の背景には、同校を拠点に小・中学校時代から一貫した指導方針で練習できる環境をつくり、高校で活躍できる選手を育成する十年がかりの取り組みがある。

 富士市立の人工芝グラウンド。平日の夕刻、サッカー部が汗を流すコートのすぐ横で、中学生クラブ「FC Fujiジュニアユース」の練習が始まった。隣では、サッカースクールの小学生らが楽しそうにボールを蹴っていた。

 FC Fujiには約八十人、スクールには百二十人ほどが在籍し、現在の富士市立の主力選手を多く輩出してきた。運営母体のNPO法人「富士スポーツクラブ」は、前身の富士市立吉原商から富士市立に移行する前年の二〇一〇年、地域スポーツの拠点になろうと、同校内に事務所を置いて誕生した総合型地域スポーツクラブだ。

 設立時の代表を務め、吉原商時代から二十三年にわたって指導する杉山秀幸監督は「サッカーを通して人が集まって楽しむ。そういう文化をつくりたかった」と振り返る。富士市を含む県東部は、元日本代表の小野伸二選手(沼津市出身、FC琉球)ら優秀な人材を輩出してきたが、その多くは競技の盛んな県中部に流出する。吉原商時代は部員の確保すらままならない年もあり「自前で育てないと選手が来ない」との危機感があった。

 FC Fujiの指導陣には、杉山監督と同じ清水東OBで後輩の池谷哲志さんらを招き、富士市立と同じ「ボールを大事にしながらテクニックを生かすサッカー」のコンセプトを共有。意表を突いたドリブルやパスで相手の逆をとる遊び心あふれたプレーを推奨するチームの合言葉は「いつか遊びがものをいう」。選手の自主性と判断力を養う指導の確立には時間がかかったが、近年はこのスタイルに憧れ、県中部のサッカー少年団から入団する選手も出るようになった。

 設立十年目を迎えた今年、高校までつらなる一貫した指導で多くの選手が花開いた。九日に袋井市のエコパスタジアムであった準決勝では、FC Fujiの卒団生九人が先発で出場。合言葉にちなんで「今こそ遊びがものをいう」と書かれた横断幕が掲げられた。

 池谷さんは「十年たって、やっと文化の芽が出てきた感じ」と教え子の活躍にほおを緩める。決勝はFC Fujiの選手らを連れて応援に行く予定だ。 (酒井大二郎)

FCFujiの選手を指導する池谷さん(中)=富士市で

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