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【静岡】

沼津市職員ら2人逮捕 市、綱紀粛正もまた不祥事

職員の相次ぐ逮捕を受け、険しい表情で頭を下げる頼重秀一市長=沼津市役所で

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◆業者に設計額漏えい容疑

 沼津市が発注した工事の入札を巡り、業者に設計額を漏らし、落札させたとして、県警捜査二課は四日、公競売入札妨害の疑いで、市工事検査課の課長補佐松本一弘容疑者(50)=同市東椎路=を逮捕し、市内の建設会社「三星建設工業」の元社長植松真一容疑者(47)=同市白銀町=を再逮捕した。植松容疑者は今年三月に実施されたJR東海道線原駅の駐輪場改修工事を巡る一般競争入札でも、市職員から情報を得て落札したとして公競売入札妨害罪で先月八日に起訴されていた。

 松本容疑者と植松容疑者の逮捕容疑は共謀して昨年十月中旬ごろ、松本容疑者が道路改良工事の設計額を植松容疑者に教え、昨年十一月に実施された一般競争入札で三星建設工業に最低制限価格に近い価格で落札させ、入札を妨害したとされる。沼津市によると、道路改良工事の最低制限価格は約千九百九十九万円だった。当初参加予定だった三社が辞退、三星建設工業が二千万円で落札していた。

 JR原駅の駐輪場改修工事の入札を巡っては植松容疑者のほか、官製談合防止法違反などの罪で市工事検査課主任(62)が、公競売入札妨害の罪で元市職員(69)が起訴されている。

◆頼重市長「市政への信頼失墜」

 沼津市職員の松本一弘容疑者が公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕されたことを受け、頼重秀一市長が四日夜、市役所で会見。入札妨害による職員の相次ぐ逮捕に「市政の信頼が著しく失墜した。複数の職員が逮捕されたことで、個人の問題なのか組織の問題なのかを把握しないといけない」と深々と頭を下げた。

 市によると、松本容疑者は市内企業に土木技術者として勤務した後、二〇一〇年四月に土木技術職員として採用。一七年四月から今年三月まで道路整備係主査として、道路工事の設計や施工などを担当していた。

 市幹部は「松本容疑者は元気な人で、仕事にまじめな印象だった」と語った。予定価格を漏らしたとされる原地区の市道改良工事については、予定価格を知る立場になかったという。

 今年四月からは工事検査課課長補佐を務め、工事検査や設計審査にあたっていた。同課によると、十月十八日に再任用の同課主任が逮捕された後も変わった様子はなく、三日まで通常通りに勤務。四日は休みを取っていたという。

 市は十一月に「不祥事再発防止対策本部会議」を立ち上げ、職員への倫理講習などを実施。五日からは入札契約事務に関わる職員が対象の実務研修もスタート予定で、信頼回復に向けて踏み出した中での新たな不祥事発覚となった。

 会議のまとめ役を担う尾和富美代企画部長は「複数の職場で不祥事が起こったことを受け、入札事務の流れや、組織と人事のあり方を検証したい」と語った。

     ◇

 十月の再任用職員に続き、今度は現役の職員が逮捕された沼津市役所。一報を知らされた職員らには衝撃が走った。

 官製談合の再発を防ぐため、幹部職を含めた研修を担当する総務課契約係の職員は、現職職員逮捕の知らせに「えっ…」と絶句。「二度とこういうことがないようにとコンプライアンスの観点からも取り組む矢先で、何とも言いようがない」と肩を落としていた。 (杉原雄介、前田朋子)

 

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