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【静岡】

企業・若手研究者の励みに 「吉野さんノーベル賞授賞式」 富士の旭化成関係者ら

吉野彰さんが開発したイオンの動きを測定する装置の前で語る井上克彦さん(左)と堀池則子さん=富士市の旭化成富士支社で

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 日本時間の十一日未明に行われたノーベル化学賞の授賞式。旭化成名誉フェローの吉野彰さん(71)の晴れ姿に、かつて研究所を置いた富士支社(富士市鮫島)の関係者も喜びを新たにしていた。 (前田朋子)

 入社してすぐに吉野さんのいた川崎市の研究所に配属され、薫陶を受けた井上克彦さん(52)。ともに開発したイオンの動きを測定する装置「NMR」は現在も支社内の基盤技術研究所で稼働中だ。研究員の堀池則子さん(49)と一緒に「吉野さんはまじめで諦めない方。細かい指導はしないが、ちょっとした知恵やヒントを与え、部下の潜在能力を引き出すのがうまかった」と振り返る。

 井上さんはストックホルムに到着後、多忙な日程をこなす姿をやや疲れているように感じ心配していたが、メダルを受ける瞬間の表情は「いい顔をされていた。行事をこなすうちにリラックスできたのかも」とほっとした様子。

 受賞記念講演などで吉野さんが口にする「地球環境問題への責任」は「吉野さんが投げるボールなのかな。責任は吉野さんだけでなくわれわれ技術者皆が負うもの。(メダルを『重い』と話したのは)それも含めての発言ではないか。企業で働く、特に若手の研究者に頑張ってほしいというメッセージとして聞いている」と語った。

 同支社の大和田敦史・富士総務部長(56)によると、社内では十月の受賞決定以来、お祝いムードが続く。社外の目に触れるリポートでの特集や、工場などに祝意を表す垂れ幕を出すなど、社の宣伝になる行為は控えているが、「国際的に知られていない『旭化成』の名が注目され、海外で働く社員にも大変な励みになった」と喜ぶ。

 吉野さんは、富士支社が社会貢献の一環として二〇〇七年から行った、常葉大富士キャンパス(一八年移転)での冠講座で、一五年まで毎年二回講義を行った。学生だけでなく、毎回、市民らも参加し、延べ聴講者が千八百人を超えるなど地域や研究外のつながりも大切にしていたという。

常葉大富士キャンパスで講義する吉野彰さん=2013年撮影(旭化成提供)

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