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【スポーツ】

井上尚、70秒一撃KO WBAバンタム級

1回、フアンカルロス・パヤノ(右)をKOする井上尚弥=横浜アリーナで

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◇トリプル世界戦

 トリプル世界戦各12回戦が7日、横浜アリーナで行われ、25歳の世界ボクシング協会(WBA)バンタム級王者、井上尚弥(大橋)が元世界王者のフアンカルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)に1回1分10秒でKO勝ちし、初防衛に成功した。試合時間は日本人選手の世界戦最速勝利記録。

 世界戦7連続KO勝利は具志堅用高を抜き、日本選手単独最長。世界戦11度目のKO勝ちも日本選手で単独最多となった。戦績は17戦全勝(15KO)、パヤノは22戦20勝(9KO)2敗となった。

 試合は異なる団体の世界王者ら8人で争うワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)同級1回戦を兼ねて行われた。

 世界ボクシング評議会(WBC)ライトフライ級王者で26歳の拳四朗(BMB)は元世界王者のミラン・メリンド(フィリピン)に7回2分47秒TKO勝ちし、4度目の防衛を果たした。拳四朗は14戦全勝(8KO)、メリンドは41戦37勝(13KO)4敗。

 WBSSスーパーライト級1回戦ではWBA同級王者キリル・レリク(ベラルーシ)がエドゥアルド・トロヤノフスキー(ロシア)を判定で下し、初防衛に成功した。

◆最速勝利記録 貫禄の初防衛

 じりじりと距離を詰め、井上尚が最初に放った左ジャブからの右ストレートだった。ワンツーが元世界王者の挑戦者のあごをとらえ、腰から沈める。1分10秒。衝撃のKO。会場はしばらくどよめきが収まらなかった。

 井上尚がさらりと言う。「手応えがものすごく拳に伝わってきた。一撃で終わったと思った」。これで世界戦7連続KO、世界戦通算11KOとなり、日本歴代単独トップ。圧倒的な勝利の連続は「日本ボクシング史上、最高のボクサー」の称号を与えていい。

 偶然ではなく必然。70秒に凝縮されていた練習通りの流れだった。ビデオで相手を研究すると、左右の動きはなく、前後だけ。直線的な動きしかない。間合いを詰め、相手を少しずつ下がらせる。狙っていたこの距離だ。体が勝手に動く。内側からのえぐるような左ジャブ。そして、素早く強烈な右。「ずっと練習してきたパンチだった。倒す思いがあった」

 この試合は他団体の世界王者を含む実力者8人で争うWBSSの1回戦を兼ねる。世界が注目するトーナメントだ。強すぎるがゆえ、マッチメークに苦労した井上尚にとって、待ちに待った舞台。「最高のスタートを切れた。スーパースターに近づいていると思う」。強さの底が見えない、トーナメントの大本命。これから井上尚を中心に世界は回っていくだろう。 (森合正範)

<ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)> 選ばれた8人で争う賞金トーナメント。異なる団体の世界王者が参戦し「階級最強」を決める大会と称される。優勝者には伝説の世界ヘビー級王者の名を冠した「ムハマド・アリ」トロフィーが授与される。

 欧米のプロモーターが創設。第1回は昨秋から賞金総額50億円以上をかけスーパーミドル級など2階級を開催。世界各地で行われた。第2回は井上尚弥が参戦したバンタム級など3階級で実施。

 通常のジャッジ3人の採点で引き分けた場合、次のラウンドに進む選手を決めるため、第4のジャッジの採点で決める特別ルールがある。

 

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