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【スポーツ】

ボクシング 五輪予選、テスト大会凍結 来年6月可否結論

IOC理事会第1日の審議を終え、記者会見するアダムス広報部長=東京都港区で

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 国際オリンピック委員会(IOC)は30日、東京都内で理事会第1日の審議を行い、統括団体の組織運営に問題を抱えるボクシングの2020年東京五輪での実施可否を、来年6月の総会で最終判断する方針を固めた。マコネル競技部長は「選手を守りたい。東京五輪での実施が目標だ」と述べ、五輪存続を前提とする考えを強調した。

 結論を持ち越した理事会は国際ボクシング協会(AIBA)の財政状況やガバナンス(組織統治)を検証する調査委員会を設置し、来年の理事会で調査報告と提言を受ける。調査終了まで五輪に向けた入場券販売のほか、出場枠を争う予選の実施、テスト大会の計画、競技日程の決定を凍結することも決めた。

 3人で構成する調査委員会はIOC理事を務める世界レスリング連合(UWW)のラロビッチ会長(セルビア)がトップを担う。

 AIBAは16年リオデジャネイロ五輪での八百長、買収疑惑もあって17年12月に分配金を停止された。IOCは五輪除外の可能性を再三警告しながら改革を促したが、11月の総会で米財務省から麻薬売買に関わる犯罪者と指摘されるラヒモフ会長代行(ウズベキスタン)を新会長に選出。新たな統括団体を模索する可能性については「議論する段階にない」(マコネル競技部長)と明言を避けた。

 相次ぐドーピングで24年パリ五輪の実施競技から除外の可能性が出ている重量挙げも判断を保留し、来年3月予定の理事会で再審議することになった。

◆「信じるしか」「選手は不安」国内に戸惑い

 東京五輪でのボクシングの実施可否は来年6月まで持ち越しとなった。IOCがAIBAの組織運営を調査終了するまで、五輪予選やテスト大会などの準備は凍結。国内の関係者から戸惑いの声が漏れた。

 五輪出場権を争う世界選手権は来年9月に開催されることが決まっている。同選手権を目指す大陸別予選は4〜6月、国内の代表選考会は3月に予定していた。アマチュアを統括する日本連盟の内田貞信会長は「(来年の)6月に結論が出ても遅い。競技があると信じて計画を進めていくしかない。代表選考会など準備をしないといけないことがある。現時点でも計画が遅れている」とコメントした。11月初旬、AIBAの総会に出席した内田会長によると、多くの国の幹部が「五輪競技から外れることはない」と楽観視していたという。五輪で100年以上続く伝統にあぐらをかき、危機感がなかった。内田会長は「AIBAに自浄能力を発揮してもらうしかない」と強く訴える。

 駒大の監督で日本連盟の常務理事を務める小山田裕二さんは「五輪実施が決まらないと選手は不安で集中できない。強化をする立場としても予定が立たない」と困惑の表情。アトランタ五輪代表で新潟県副理事長の仁多見史隆さんは「現場目線でいうと、持ち越しで延ばされるのが一番つらい。選手は東京五輪があるから身を削って頑張れる。ここで決断してほしかった」と肩を落とした。 (森合正範)

 

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