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【スポーツ】

吉田沙保里、引退 絶対女王 記録も記憶も

ロンドン五輪3連覇 父の栄勝コーチを肩車して喜ぶ=畦地巧輝撮影

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 レスリング女子で16大会連続世界一の偉業を成し遂げた吉田沙保里(至学館大職)が8日、現役引退を表明した。来年の東京五輪へ挑戦するかどうかの決断が迫られていた。五輪4連覇を逃した2016年リオデジャネイロ大会を最後の闘いとし、マットを去る。 

 8日に現役引退を表明した吉田は4連覇が懸かった2016年リオデジャネイロ五輪を「レスリング人生の集大成」と位置づけ、金メダルで有終の美を飾ることに自信を持っていた。決勝でまさかの敗戦。試合後に号泣しながら「ごめんなさい。取り返しのつかないことになってしまった」と謝罪したが、進退をすぐには決められなかった。引退に対する哲学があったからだ。

 吉田は3歳からレスリングを教わり、14年3月にくも膜下出血で急逝した父の栄勝氏から「ぼろぼろになるまで続けるな。王者のまま引退しろ」と教示され、勝ち続けることにこだわった。リオ五輪で負けたまま、即座にマットを去ることはできなかった。

 リオ五輪後は選手兼任で日本代表コーチとなり、昨夏まで至学館大の副学長も務めた。一方で、芸能活動にも積極的に取り組んだ。

 活動の場を広げながらも現役続行の可能性を探ったが、年齢的な衰えもあって圧倒的な練習量で鍛え上げることが厳しくなっていた。

 精神的なダメージも受けた。栄勝氏と並んでレスリングの恩師だった栄和人氏の伊調馨(ALSOK)に対するパワーハラスメント行為が認定され、栄氏は日本協会の強化本部長と至学館大監督の職を追われた。関係者によると、吉田は公私ともに親しかった栄氏の一連の騒動に大きなショックを受けていたという。

 伊調はリオ五輪後に休養し、パワハラ問題を乗り越えて昨年10月に復帰。同12月の全日本選手権で優勝を果たし、20年東京五輪への道を切り開いた。対照的に吉田は約2年半の葛藤の末、選手生活に区切りをつける決断を下した。

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