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【スポーツ】

吉田さん引退にロンドン金の小原さん 「沙保里がいたから成長できた」

ロンドン五輪日本選手団の解団式で、獲得した金メダルを手にする小原日登美さん(左)と吉田沙保里さん=2012年8月、東京都内のホテルで

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 8日に現役引退を発表した吉田沙保里さん(36)はさまざまなレスラーに影響を与えてきた。2004年アテネ、08年北京と2度、吉田さんに五輪への道を阻まれた小原日登美さん(38)もその一人。吉田さんを倒そうと努力と稽古を重ね、12年ロンドン五輪で、歓喜の金メダルへと結実した。何度もはね返されたライバルへ、今は感謝とねぎらいの思いを抱く。

 小原さんは引退を報道で知ったという。驚きはなかった。「五輪に挑む厳しさを沙保里は誰よりも知ってる。後輩も育ってきているし、自分は一歩引こうと考えたのでは」と胸中を思いやる。

 1999年、青森県八戸市から中京女大(現至学館大)へ。恩師の栄和人氏が「絶対にほしいと直接スカウトに行ったのは後にも先にも小原選手だけ」と明かすほどの逸材だった。事実、得意のタックルを武器に、世界選手権を8度制した。

 だが、2年後輩の吉田さんはさらに上をいった。妹との対戦を避けるため、吉田さんがいる階級に上げて挑んだ2度の五輪予選。強烈な高速タックルが、どうしても防げなかった。スピードはもちろん、タックルに入る前のフェイントも巧みだった。

 多くの選手が母校を拠点にする中、卒業後は自衛隊体育学校へと移り、吉田さんと離れた場所で対策を続けた。「どうしたら沙保里に勝てるんだろう。ずっと悩みながらだった」。タックルを防ぐため、磨いた防御が生きたのがロンドン五輪。妹が引退したため本来の48キロ級で挑み、決勝はしぶとい守りから逆転勝ちにつなげた。

 五輪後、31歳で引退した。現在は母であり、自衛隊体育学校で若手の指導にも当たる。女王と切磋琢磨(せっさたくま)したレスリング人生を「いい時に良きライバルがいてくれたから、成長できた」と振り返る。 (多園尚樹)

 

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