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【スポーツ】

埼玉育ち、母の祖国フィリピン代表に サッカーアジア杯・佐藤大介選手

1次リーグ第2戦の中国戦の前日練習で汗を流す佐藤大介選手=10日、アブダビで

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 アラブ首長国連邦(UAE)で開催中のサッカーのアジア・カップで、初出場のフィリピン代表に埼玉県育ちの選手がいる。フィリピン人の母親を持つ佐藤大介選手(24)。選手としての基礎を教えてくれた日本への感謝と、日本に住む母親への思いも胸に戦っている。  (アブダビ・唐沢裕亮、写真も)

 漫画「キャプテン翼」の影響で小学一年から戸田市でサッカーを始めた。「常に自分の心にある」というJリーグ浦和のジュニアユースとユースで足元の技術や対人の強さを磨いた。トップチームに上がれず進学した仙台大を経済的な理由で中退も、プロへの思いは断ち切れず。単身でフィリピンに渡り、つてを頼って現地のクラブと契約した。

 初の海外生活を「日本とはメンタリティーも違う。人として成長できたことが大きかった」と振り返る。環境を変えたことが選手としてもプラスに働いた。フィリピン代表が同国にルーツのある選手で強化を図っていたこともあり、二〇一四年に代表に初招集された。今大会は左サイドバックとして出場している。

 「最初は日本代表を目指したかった。でもお母さんの国を代表できることをうれしく思った」。母親のエルマさん(53)も泣きながら代表入りを喜んでくれたという。「少しでもお母さんに恩返しができたら」。母子家庭で工場とスーパーのパートを掛け持ちしながら苦労して三人の子どもを育ててくれた母親への思いが今も原動力になっている。

 今大会はアブダビで日本代表チームと同じ宿舎だったこともあり、浦和下部組織出身の先輩、原口元気選手(27)や、一緒に練習したことがある槙野智章選手(31)と久々の再会を果たしたという。二人とも「フィリピン代表でやってるんだ」と驚きつつ「(0−1で惜敗した)韓国戦はすごかった。フィリピン代表は強くなってるね」などと声を掛けてくれたという。

 既に決勝トーナメント進出を決めた日本と対戦するには一次リーグ突破が欠かせないが、ここまで二連敗。「日本とやりたい。そこを目指して今までやってきた」。いちるの望みをかけ、十六日のキルギス戦で初勝利を目指す。

<さとう・だいすけ> 1994年、フィリピン・ダバオ生まれ。生後9カ月で日本へ。埼玉県戸田市のスポーツ少年団「FC東85」でサッカーを始め、浦和の下部組織を経て仙台大へ。1年で中退した後、フィリピンのクラブでプロキャリアをスタート。2014年にフィリピン代表入り。活躍が代理人の目に留まり、欧州移籍を果たす。現在はルーマニア1部リーグのセプシに所属。170センチ、67キロ。国際Aマッチ出場43試合で3得点。

 

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