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【スポーツ】

水谷、10度目頂点 伊藤は女子初の2年連続3冠

男子シングルス決勝大島祐哉を破り、10回目の優勝を果たした水谷隼=丸善インテックアリーナ大阪で

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◇全日本選手権 男女単決勝

 全日本選手権最終日は20日、大阪市の丸善インテックアリーナ大阪で行われ、シングルスの男子決勝で水谷隼(木下グループ)が初めて決勝に進出した大島祐哉(同)を4−2で下し、自らの最多記録を更新する2年ぶり10度目の優勝を飾った。

 前回王者の15歳張本智和(エリートアカデミー)は準決勝で大島に3−4で敗れた。

 女子決勝では伊藤美誠(スターツ)が、14歳5カ月の史上最年少で決勝に進んだ木原美悠(エリートアカデミー)を4−1で下し、2連覇を果たした。同ダブルスと混合ダブルスを合わせた3種目連覇は女子で初めて。これまでの最年少の決勝進出は、昨年の張本の14歳6カ月だった。

 伊藤は準決勝で早田ひな(日本生命)にストレート勝ちした。

◆「若手の壁に」王者の意地

 台頭する若手に打ちのめされてから1年。男子の水谷が再び第一人者としての誇りを示した。快挙を成し遂げると、「V10」の文字が踊る観客席に自ら足を踏み入れた。「毎年、本当に苦しい全日本で10回も優勝できて信じられない。自分を褒めたい」

 回転とコース取りに優れたサーブ、軌道や球足の長さを自在に操るレシーブ。ラリーでも負けない水谷は技術の引き出しが多く、先手を取れる強みがある。「早い段階でかなり優位に運べた」と大島に主導権を渡さなかった。

 2−1とリードして迎えた第4ゲームは圧巻。返球が甘くなるとみるや、強烈なフォアハンドを打ち込み、9連続得点などでゲームを制した。第5ゲームを盛り返されても動じず、落ち着いて第6ゲームを奪い返した。

 前回敗れた張本に象徴されるように、現代卓球は高速化が顕著。水谷は順応しつつも、「長年やってきた自分のスタイルを大きく変えることはできない」と認める。駆け引きしながら、打ち合いを制する。築き上げた持ち味を存分に発揮し、向かってくる選手をことごとく退けた。

 2007年に17歳で初制覇してから、実に13年連続で決勝に進出。10度目となる節目の記録を刻み、「勝ってこの舞台を去りたい」。来年以降の全日本は出場せず、また東京五輪後は日本代表から引く考えを改めて示した。とはいえ簡単に後輩へ道を譲る気はない。「これで強い若手たちも張本でなくて、水谷も倒そうという気持ちになる。壁になれるように頑張っていきたい」 (磯部旭弘)

◆戦術に幅 自信深め

女子シングルス決勝木原美悠を破り、2年連続の優勝を決めた伊藤美誠

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 破竹の勢いで勝ち上がってきた4歳下の挑戦者を手玉に取り、実力を証明してみせた。優勝を決めた伊藤は表情を変えず小さくガッツポーズ。女子初の2年連続3冠を達成し、「自分の成長に拍手したい」と喜びをかみしめた。

 決勝で中学2年生の木原を迎え撃った。際立ったのは伊藤の勝負所での冷静さと正確なボールさばき。速攻を持ち味にする相手に第1ゲームで先にゲームポイントを握られても、コースの読みにくい多彩なサーブでミスを誘い、13−11と逆転で先取した。

 3ゲーム連取で迎えた第4ゲームは、9−3と先行した後に8連続失点で落とした。「そろそろやばいな」。そんな言葉が頭に浮かんだというが、気持ちに焦りはなかった。「いつもの自分なら頭が真っ白になるところ。次のゲームを絶対に取ると強く思っていたから、すぐに切り替えられた」。素早いラリー戦を制し、第5ゲームは11−5と圧倒した。

 相手の意表を突く独創的なプレーだけでなく、フットワークに磨きをかけ、戦術の幅を広げた。国際試合でトップクラスの中国選手を打ち破るなどして「たくさんの試合を経験し、自分の実力を出し切れば絶対に大丈夫と思えるようになった」と自信も深め、今大会に臨んできた。

 東京五輪の代表選考が本格化する2019年。最高のスタートを切った今、目標は決まっている。「目の前の試合を楽しんで1年間やりきり、出場権を自分の手でつかみ取りたい」 (兼村優希)

 

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