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【スポーツ】

玉鷲、突き押し貫き初V 34歳、初土俵から15年

遠藤(左)を突き落としで下し初優勝を決めた玉鷲

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◇大相撲初場所<15日目>

 関脇玉鷲が平幕遠藤を突き落とし、13勝2敗で初優勝した。関脇の優勝は昨年名古屋場所の御嶽海以来。先場所は小結だった貴景勝が制し、関脇以下の連続優勝は2000年初〜夏の3場所連続以来19年ぶり。

 モンゴル勢7人目の制覇で、34歳2カ月での初優勝は年6場所制となった1958年以降で2番目の年長。初土俵から90場所、新入幕から62場所は、ともに史上4番目に遅い。殊勲賞と敢闘賞も初受賞した。

 1差で追っていた関脇貴景勝は大関豪栄道に押し出されて11勝4敗。初の技能賞を獲得したが、場所後の大関昇進を見送られた。大関高安は魁聖を寄り切り、豪栄道とともに9勝6敗。

 再出場の小結御嶽海は敗れて8勝4敗3休だったが、3横綱撃破で4度目の殊勲賞に輝いた。47年秋場所の三賞制定以降、休場した力士の三賞受賞は初めて。

 表彰式では初優勝して殊勲賞と敢闘賞を獲得した玉鷲と、殊勲賞の御嶽海、技能賞の貴景勝に、中日新聞社(東京新聞、東京中日スポーツ)の水野和伸専務取締役東京本社代表から記念の盾と金一封が贈られた。

 次の春場所は3月10日に大阪市のエディオンアリーナ大阪で初日を迎える。

      ◇

 持ち前の突きで玉鷲が距離を取る。頭を下げて間合いを詰めようとする遠藤の動きが、十分離れた位置からよく見えていた。遠藤がまわしを探りに来た右腕をかわし、左から突き落とし。優勝を決めると土俵下で目を潤ませ、花道で涙を拭った。「今まで努力してきて、本当に良かった」。入門から15年間ひたすら磨いてきた押し相撲を、15日間貫いて賜杯にたどり着いた。

 師匠の片男波親方(元関脇玉春日)が評していわく「彼には突き押ししかない。四つに組んだら今でも幕下にも勝てない」。自分の良さが生きる押し相撲で道を切り開いてきたが、これまでは苦しくなると脇が「ハの字になる」癖があった。脇が空けば差し手を許し、組めば勝てない。「自分の相撲をするだけ」と言い続けてきた今場所は、悪癖が顔をのぞかせることはなく、徹底して押し相撲で勝負した。

 15日間で一度も四つに組まず、まわしに触られる場面もほとんどなかった。八角理事長(元横綱北勝海)は「まわしさえ取らせなきゃというのがある。差させなきゃ負けない」とたたえた。

 優勝までたどり着けた理由は「師匠が教えてくれたことを毎日やり続けた」から。ともに天下一品の突き押しをつくりあげた片男波親方は、相撲経験がないまま角界に飛び込んで精進してきた弟子の快挙に「何も無い状態から優勝を実現したんだから、大したものですよね」と喜んだ。

 関脇で優勝を果たし、今後は大関昇進への挑戦も視野に入る。玉鷲は「とりあえず思う存分相撲を取って、みんなが喜ぶ姿を見たい」。豪快な突き押しの威力と安定感は証明してみせた。ファンを沸かせる相撲を続ければ、昇進まで駆け抜けてもおかしくない。 (海老名徳馬)

 

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