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【スポーツ】

36歳福士、MGCへ マラソン・名古屋ウィメンズ

日本勢2位となる8位でゴール。MGCの出場権を獲得し喜ぶ福士加代子=ナゴヤドームで

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 東京五輪代表選考レース「グランドチャンピオンシップ(MGC)」出場権を懸けた「名古屋ウィメンズマラソン2019」(中日新聞社など主催)は10日、ナゴヤドーム発着で行われ、既にMGC出場権を持つ岩出玲亜(アンダーアーマー)が自己記録を更新する2時間23分52秒で日本人最高の5位だった。16年リオデジャネイロ五輪女子マラソン代表の福士加代子(ワコール)が2時間24分9秒で日本人2位の8位に入り、MGC進出を決めた。優勝はヘラリア・ジョハネス(ナミビア)で2時間22分25秒。

 ペースメーカーが外れた30キロすぎに海外勢が抜け出したが、岩出と福士は最後まで粘りの走りを見せた。上原美幸(第一生命)、前田彩里(ダイハツ)、谷本観月(天満屋)、池満綾乃(鹿児島銀行)もMGC出場権を獲得した。

 17年に始まったMGCシリーズの最終戦で、女子のMGC進出者は今回の5人を含めて計14人となった。 (スタート時曇り、気温11・2度、湿度61・4%、南南東の風0・9メートル)

◆「転ばなかったらいける」

 目深にかぶった帽子とサングラスで、表情をうかがうことはできない。だが、前を追おうとする姿には寄せ付けぬような気迫が宿る。転倒して棄権した大阪国際女子から1カ月余。追い詰められた福士が粘り切って東京五輪への道を開き、「やっと(MGC出場権を)取れた。転ばなかったらいけるんでしょう」。36歳の実力者は、自虐的な「福士節」で喜んだ。

 中41日で再び挑む42・195キロ。「(けがと連戦の)影響はない」と繰り返した言葉を、結果で証明した。10歳以上も若い国内のライバルが脱落していくのをよそに、30キロを過ぎても海外勢の背中を追った。最終盤で失速して岩出に日本人トップの座を譲ったが、過去11回のレースで2番目の記録。大阪までに築き上げた土台があったからこそ、「30キロ以降も意外と余裕があった」と実感できた。

 日本女子陸上界で最多の4度の五輪出場を誇る実力者もマラソンでは挫折を重ね、30歳を超えてからは常に引き際が頭をかすめた。銅メダルを取った2013年の世界選手権の前も、家族に「これで終わりにしようかな」と揺れる心境を吐露。優勝を公言した16年リオデジャネイロ五輪も14位に沈み、東京を狙う気持ちは揺れ動いた。

 それでも一線を退かなかったのは、マラソンの奥深さに魅了されているから。「まだマラソンをちゃんとつかめていない。自分で主導権を握ったことがない」。異例の連戦の末、執念で勝ち取ったMGC。抜群の経験と実績を武器に、秋の大一番に臨む。 (佐藤航)

 

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