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【スポーツ】

五輪まで500日、面談活況 ボランティア 20代、外国人主役

大会ボランティアの選考のため、面談を受ける希望者たち=6日、東京・有楽町で

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 二〇二〇年東京五輪・パラリンピックは十二日で開幕まで五百日。大会組織委員会の準備が本格化する中、都内では大会ボランティアの面談が活況を迎えている。八万人の募集人数に達するか不安視されたが、応募は約二十万人に。特に若者や外国人の熱意が驚くほど高い。(原田遼)

医療英語を勉強する横島健人さん=東京都千代田区で

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■年代別最多

 「熱中症」「目まい」「けいれん」…。救護のボランティアを希望する横島健人さん(21)は、酷暑の五輪で想定される言葉の英語表記をノートに書き込む。

 「あと五百日しかない。今から準備しないと」。順天堂大学の医学生だが、外国人の選手や観客への対応は初体験。二月に組織委との面談を終えると、九月の採用発表を待つことなく、勉強を始めた。

 応募者の年代別で最多の36%を占めた二十代の一人。授業や学習塾のアルバイトの合間をぬって医療英語を学ぶ。国際医療を学ぶサークルにも所属し、海外で働く日本人医師から体験談も聞いた。「どこまで知識を高められるか。全ての人に東京五輪を良い思い出として残したい」と日々責任感は増している。

■「全員選びたい」

 全国十二会場に先駆け、先月九日に東京・有楽町で始まった面談。一日九百人の応募者が呼ばれ、中には気持ちが高ぶりすぎて涙ぐんだり、持参のパソコンを手に自己アピールをしたりと、熱気にあふれる。

 「一日八時間、十日以上、交通費一日千円を除き滞在費などは自己負担」とした活動条件に、昨年秋の募集開始当初は「やりがい搾取」と批判もあった。それでも二十万四千六百八十人が応募し、六割が十一日以上の活動を希望。募集した「八万人」はのべ人数のため、実際の採用はそれより少なくなる見通しだ。

 組織委が求めるのは体力や外国語能力、活動分野での専門知識など。伝(でん)夏樹ボランティア推進部長は「批判がある中で、強い思いで応募してくれた方々ばかり。本当は全員を選びたい」と複雑な思いを口にした。

■言葉を勉強中

応募したジョアンヌ・トマソさん(右)、左は夫のルイスさん=カナダ・モントリオールで

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 組織委を驚かせたのは、全体の36%を占めた外国人だ。アジア、欧州などさまざまな地域から応募があり、カナダ在住の女性ジョアンヌ・トマソさん(60)も「日本の文化や食事に興味がある」と手を挙げた。

 これまで夏冬十二の五輪にボランティアで参加。ドーピング検査補助員やメディア支援員を務めた。そうした経歴は、地元で救急隊や通信会社に就職する際に評価されたという。自己負担となる日本への渡航費や滞在費も「最新のアイフォーンやルイヴィトンのバッグを買うより、よっぽど有意義」と意に介さない。だが組織委は言葉の壁などから、外国人の採用に消極的。面談は主にテレビ電話で行うが、採用者の外国人比率は、応募時の36%を「はるかに下回る」としている。トマソさんは「今、日本語を勉強中。必ず力になるから信じて」と海の向こうから訴えた。

 

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