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【スポーツ】

引かない鶴竜 速攻一気、1敗堅守

鶴竜(右)は栃煌山を押し出しで下す

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◇大相撲春場所<9日目>

 横綱白鵬は小結御嶽海を寄り切り、ただ一人の全勝を守った。横綱鶴竜は栃煌山を押し出して8連勝で勝ち越し、大関昇進を狙う関脇貴景勝は千代大龍を突き落とし7勝目を挙げた。

 大関陣は高安が関脇玉鷲を押し出して勝ち越し。かど番の栃ノ心は正代を上手投げで仕留め6勝3敗としたが、豪栄道は逸ノ城に小手投げで屈し2敗目を喫した。逸ノ城は勝ち越し。

 全勝の白鵬を1差で追うのは鶴竜、高安に平幕の逸ノ城、碧山の4人。十両は志摩ノ海が勝ち越し、単独首位をキープした。

     ◇

 八角理事長(元横綱北勝海)がうなった。「こういう当たり合いが大相撲。これを見ていただけるのはいい」。ファンに喜んでもらえるというお墨付きを引き出したのは鶴竜。相撲のうまさとセンスに定評がある横綱が、この日は速さと力強さで大阪の観客をどよめかせた。

 頭から相手の胸に突き刺さるように立ち、栃煌山に当たり勝った。左手ではずを押して一気に前へ。右は差せずに万歳のような形だったが、強引に攻めきって押し出した。

 45回目の対戦。23勝21敗と勝ったり負けたりを繰り返してきた。「引いて負けるのがパターン。攻めて攻めていきたい」。手の内を知る相手に小細工はしない。とにかく前に出る。覚悟を決めた相撲で完勝し「立ち合いがよくて、その後の流れもよかった」とうなずいた。

 途中休場した1月の初場所、テレビ画面から大きな刺激を受けた。1歳年上の玉鷲が34歳で初優勝。「自分ももっと頑張らないといけない。どこで化けるかは分からないですから」

 老け込む年ではない、まだ力は伸ばせる。場所後には玉鷲の妻が入院する病院を訪れ、千秋楽に生まれた夫妻の息子と賜杯獲得を祝福した。一方で、心の中では「次は自分」との思いが強まった。

 10日目には大関とりに挑む22歳の貴景勝との一番が組まれた。高安が29歳で、他は全員が30代という横綱、大関陣の中で最初に若武者の挑戦を受ける。世代交代の波を押しとどめる壁となれるのか。栃煌山戦を土俵下で見届けた高田川審判長(元関脇安芸乃島)は「先に引いた方が負ける。引くのは気持ちが弱いということ。いよいよ勝負ですね」。大関とりの行方を占う結びの一番に、好勝負の予感が漂う。 (海老名徳馬)

 

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