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【スポーツ】

立ちはだかる白鵬 大関目指す貴景勝3敗目

白鵬(右)は貴景勝を上手投げで下す

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◇大相撲春場所<11日目>

 横綱白鵬は大関昇進を狙う関脇貴景勝を上手投げで下して11戦全勝とし、単独トップを守った。貴景勝は3敗目。横綱鶴竜は関脇玉鷲を引き落とし9勝目。玉鷲は7敗となった。

 1敗同士の平幕対決は逸ノ城が碧山をはたき込んだ。大関同士の一番は高安が栃ノ心を突き落として9勝目を挙げた。かど番の栃ノ心は5敗目。大関豪栄道は2敗を維持した。新小結北勝富士は負け越した。勝ちっ放しの白鵬を1敗で逸ノ城、2敗で鶴竜、高安、豪栄道ら5人が追う。十両は志摩ノ海が1敗を守って単独首位。

     ◇

 胸に桃色の引っかき傷を何本もつけた白鵬が、支度部屋でにやりと笑って言った。「ちょっと邪魔してやろうかな」

 その言葉は、かつて横綱千代の富士が、貴花田(後の横綱貴乃花)の挑戦を初めて受ける前に口にしたものと同じ。白鵬は場所前にも先輩横綱の発言を引き合いに出していた。22歳の若武者に、あっさりと昇進への道を歩ませはしない。貴景勝の大関とりの壁となった白星を「有言実行だね」と満足げに振り返った。

 注目の結び。なりふり構わない立ち合いに、いつも以上の気合が表れていた。一昨年に横綱審議委員会から注意されて以来使ってこなかったかち上げで、貴景勝の出足を食い止める。低い突き押しを時に突き返し、時にはたいていなした。

 気迫をぶつけあうような相撲。激しくやり合いながら、より相手が見えていたのは白鵬だった。「若い頃はあんな相撲は稽古でやってきましたから」。誰よりも修羅場をくぐって来た経験が冷静さを生む。貴景勝が出てくるタイミングを見極めて右四つに組み止め、左上手を引いたところで勝負あり。上手投げで豪快に転がした。

 貴景勝の攻めを受け止め、最後に強さを見せつけた。土俵下で見守った阿武松審判部長(元関脇益荒雄)は「すごい一番だった。絶対に勝つんだという気持ちが見て取れた」と手放しでたたえた。

 この3日間で、初場所で3連敗した御嶽海、玉鷲、貴景勝に雪辱した。千代の富士は貴花田に敗れたと聞かされた白鵬は「いいね」とまたほほ笑んだ。若手が力を伸ばして世代交代も取り沙汰されるが、まだしばらくは高い壁であり続けそうだ。 (海老名徳馬)

 

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