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【スポーツ】

イチロー28年の勇姿 不世出の天才打者「50歳現役」届かず

8回表2死二塁、第4打席に立つマリナーズのイチロー=東京ドームで

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 米大リーグ、マリナーズのイチロー外野手(45)が21日、現役引退を表明した。日米両球界で記録と記憶に残る活躍を演じた大選手。プロ28年目、メジャー19年目を迎えた今季、目標の「50歳現役」に届かず、ユニホームを脱ぐ。

 スーパースターとの別れの瞬間がついに訪れた。八回。一度は守備位置に就いたマリナーズのイチローに交代が告げられる。両チームのベンチ、そして東京ドームを埋めた4万6451人が総立ちで拍手を送る。三塁ベンチ前で、チームメートやスタッフ一人一人と時間をかけて抱き合う。「あんなものを見せられたら、後悔などあろうはずもない」。不世出の天才打者が、静かにバットを置いた。

 日米通算4367安打。今まで魔法のように安打を重ねてきたバットからは、ついぞ快音が響かなかった。3打席凡退で迎えた、4−4の八回2死二塁。背番号51が右手に持ったバットを高々と掲げ、投手と相対する。現役最後の打席。祈りにも似た声援が場内に響いたが、結果は遊ゴロ。自慢の快足もわずかに及ばなかった。

 試合後、鳴りやまない「イチローコール」に応え再びグラウンドへ。場内を一周し、客席へ何度も何度も手を振る

。「とても想像していなかった」という光景。日本のファンに最後の勇姿を刻んだ。

 目標とする「最低50歳まで現役」はかなわなかった。それでも、その功績や重ねた努力が色あせることはない。この日もいつものように入念にストレッチを繰り返し、試合前の打撃練習では鋭いスイングから何本も右翼席に放り込んだ。

 会見では、貫けたことは何かと問われ「野球を愛したこと」と言い切った。イチローは最後までイチローだった。 (中川耕平)

 

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