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【スポーツ】

「まだ夢への途中」 大関貴景勝、誕生

 日本相撲協会は27日、エディオンアリーナ大阪で大相撲夏場所(5月12日初日・両国国技館)の番付編成会議と臨時理事会を開き、東関脇貴景勝(22)=本名佐藤貴信、兵庫県出身、千賀ノ浦部屋=の大関昇進を理事会での満場一致で正式に決めた。

 相撲協会は使者として、出羽海理事(元幕内小城ノ花)と西岩審判委員(元関脇若の里)を大阪市内のホテルに派遣し昇進を伝達。平成最後の新大関となった貴景勝は伝達式で「大関の名に恥じぬよう、武士道精神を重んじ、感謝の気持ちと思いやりを忘れず相撲道に精進してまいります」と口上を述べた。

 新大関の誕生は昨年5月の夏場所後の栃ノ心以来。初土俵から所要28場所の昇進は年6場所制となった1958年以降で6位の速さ(幕下付け出しを除く)で、日本出身では最速。22歳7カ月22日は58年以降初土俵で9位の若さとなる。

 番付編成会議では彩(27)=いろどり、本名松本豊、埼玉県出身、錣山部屋=の新十両、美ノ海(25)=ちゅらのうみ、本名木崎信志、沖縄県出身、木瀬部屋=と青狼(30)=せいろう、本名アムガー・ウヌボルド、モンゴル出身、錣山部屋=の再十両が決定した。彩は元関脇寺尾の錣山親方が育てた4人目の関取。美ノ海は5場所ぶり、青狼は4場所ぶりの関取復帰。

◆部屋消滅 逆境突き押す

 伝達式を終え会見に臨んだ貴景勝は、どんな大関になりたいかを問われ、「次の番付を目指す」ときっぱりと答えた。

 「どんな大関ではなく、もう一つ上があるわけだから、上を目指して立ち向かっていきたいと思っている」。今に満足しない貴景勝らしい言葉。四文字熟語は組み込まず、「武士道精神」「感謝」「思いやり」といった言葉を使った口上は、師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)や父の一哉さんにも相談せず1人で考えたという。

 押し一本で勝負するまれなスタイル。初優勝した昨年の九州場所からこの春場所まで13勝、11勝、10勝と勝ち星は右肩下がりで、研究されつつあるようにも見える。それでも「自分が持っている少ない武器というものをもっと磨く必要がある。美学ではないけど、それしか自分が生き残っていく道はない」。ただ長所を伸ばすことに力を注ぐ。

 昨年秋場所後に旧貴乃花部屋が消滅したため、千賀ノ浦部屋に転籍した。「部屋を変わってその辺から意識が変わってきた。よりやっていかないとという感覚になったのでは」と会場で伝達式を見守った一哉さんは振り返る。部屋の消滅という逆境を、才能を覚醒させる呼び水とした。

 ライバルとして特定の力士の名前を挙げることはしなかった。「15日間力を出し切るスタミナ、精神力、それが一番大事」と内なる敵と向き合う。22歳。初土俵から所要28場所のスピード昇進。「両親と約束した夢がかなっていないし、まだ途中」。さらなる高みを目指す。 (禰宜田功)

 

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