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【スポーツ】

<センバツ高校野球>春の東邦 5度目V 平成初代王者、最後も舞った

30年ぶり5回目の優勝を決め喜ぶ石川(中央)ら東邦ナイン=甲子園で

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◇東邦6−0習志野

 第91回選抜高校野球大会は3日、甲子園球場で決勝が行われ、東邦(愛知)が習志野(千葉)を6−0で下して、1989年以来30年ぶり、単独最多の5度目の優勝を果たした。平成元年の最初の大会で優勝した東邦は、平成最後の大会でも王者になった。愛知県勢の優勝は、2005年の愛工大名電以来、11度目。初めて決勝に進出した習志野は、千葉県勢として初の春制覇を逃した。

     ◇

 平成の初代王者が、平成最後を優勝で締めくくる。出来過ぎた筋書きのドラマを東邦の石川が完結させた。主砲として2本塁打、エースとして完封劇。偉業達成に「正直できると思っていなかった」と破顔した。

 一回1死一塁、左腕の山内がフルカウントから投じた低めの変化球にバットを合わせ、バックスクリーン右へ先制2ラン。五回2死二塁では代わった相手エース右腕の飯塚の外寄りのスライダーを逃さず、右中間に勝利を決定付ける2ランを放った。松井秀喜(星稜)らに並ぶ個人最多タイとなる大会通算3本目の本塁打に右手を突き上げた。

 スイングスピードの速さで逆方向に飛ばす能力は折り紙付き。準決勝までの2試合は無安打だったが、気に留めなかった。「割り切れたことが良かった」。試合中に森田監督に「今日はおまえが打って抑えて勝て」とハッパをかけられたことも意気に感じた。

 “本職”の打の活躍に劣らず、投げても散発3安打と二塁すら踏ませなかった。奪った三振は二つ。データに基づいて守備陣が大胆に位置を変更すると、そこへ計ったように打球が飛んだ。「守備に助けられた」と味方に感謝するが、丹念にコースに投げる制球力のなせる業だった。

 5戦連続の先発。序盤は「球に勢いがない。これでは1試合もたない」と球威より制球を重視して横手気味にフォームを修正した。グラウンドで起きた変化に自分たちを合わせる「対応力」はチームのテーマ。主将自らが実行し、大舞台で力を引き出した。

 大会に臨む前、平成元年の優勝シーンを映像で目に焼きつけ、気持ちを奮い立たせた。表彰式後、観客席から「平成最後のスーパースター」と声が飛んだ。元号は平成から令和へ。「次は夏の甲子園の優勝に向かっていきたい」と新時代に視線を向けた。 (平井良信)

◆習志野、粘り届かず

習志野−東邦 5回裏東邦2死二塁、石川に2ランを許す飯塚

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 本塁打を打たれて、マウンド上で思わず苦笑いした。「あそこの球をあそこに打つ打者は初めて見た」と習志野の飯塚。救援登板した五回、東邦の石川への初球を、右中間の最も深い場所に運ばれた。

 捕手のミットは外角低め。スライダーが曲がり切らなかった。ただ「ほとんど失投ではない」。打たれるはずがなかった一発は驚きだった。

 3試合連続の逆転勝ちで決勝までたどり着いた粘り強さも影を潜めた。五回までに3度も先頭打者が出塁して無死一塁としたが、いずれも好機を広げられなかった。

 一回は主将の竹縄が送りバントを失敗して併殺打。四回は再び回ってきた竹縄の打席でバスターエンドランを仕掛けたが、左飛となった。飛び出した一塁走者の根本が戻れず併殺に。竹縄は「自分の感覚では前に落ちるかも、と思ったけれど、相手の守る位置が良かった。研究されていた」と東邦のレベルの高い野球に脱帽するしかなかった。

 「個の力、組織力、何一つとしてかなうところがなかった」と小林監督。竹縄も「自分たちの野球ができなかった。全てがだめだった。学ばないといけない」。散発3安打、二塁すら踏めなかった。0−6というスコア通りの完敗。苦い分だけ、夏には個々もチームも強くなれる。 (海老名徳馬)

◆富岡西が応援団最優秀賞

 大会本部は3日、応援団の最優秀賞に21世紀枠で初出場した富岡西(徳島)を選び、応援団代表の梶本莉加さんが閉会式で表彰を受けた。優秀賞には習志野(千葉)桐蔭学園(神奈川)東邦(愛知)履正社(大阪)米子東(鳥取)が選ばれた。

 

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