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【スポーツ】

五輪チケット販売 組織委厳戒 複雑・超大量、サイバー攻撃、転売対策

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 二〇二〇年東京五輪のチケット販売が五月九日に始まる。大会組織委員会は、パラリンピックと合わせて約一千万枚を販売し、八百二十億円の収入を見込む。大規模で複雑なチケット販売は国内で前例がない。公式サイトへのアクセス集中やサイバー攻撃、不正転売などトラブルの火種も多く、組織委は神経をとがらせる。

 組織委によると、プロ野球の一球団が一シーズンで販売するチケットが約二百万枚。実に五年分に当たる量を、わずか一カ月ほどの期間に扱うことになる。トラブルは観客を直撃するだけに、大会のイメージダウンにつながりかねない。

 組織委の目標は全会場満員。低額チケットで多くの人に観戦機会を提供しつつ、飲食サービスなど付加価値のある高額券も用意し、入場料収入の確保をもくろむ。紙のチケットに加え、スマートフォンに表示したQRコードを読み取り端末にかざして会場に入る「モバイルチケット」を五輪で初めて本格導入する。

 来春、販売所が設置されるまで、申し込みはインターネットに一本化。販売サイトに大量のデータを送り付け閲覧できなくする「DDoS(ディードス)攻撃」も懸念される。大会ボランティアの応募サイトで不具合が発生したほか、昨年の平昌(ピョンチャン)冬季五輪でも大会サイトへのサイバー攻撃が発生しており、組織委は対策に万全を期す。

 サイトの混雑時に「ウェイティングルーム(待合室)」と称するページに自動的に誘導してサーバーのダウンを防ぐ五輪初の策も導入。ただ、完全にシステム障害を防げる保証はない。関係者によると、当初は四月中旬に申し込みの受け付けを始める予定だったが、システムの脆弱(ぜいじゃく)性への懸念が拭いきれず延期。五月九日と正式に決まったのは今週に入ってからだった。

 もう一つの大きな課題が、過去大会でも問題となった買い占めや不正な高額転売だ。組織委は、六月に施行される罰則付きの不正転売禁止法を盾とするほか、来場できなくなった場合は、公式の再販売サイトでの定額譲渡のみに限定。出品禁止を決めたメルカリなどに加え、組織委は今後も二次流通業者にチケットを扱わないよう協力を求める。

 ただ、会員制交流サイト(SNS)などでの個人同士のやりとりをどこまで監視できるかは未知数。海外では偽のチケット販売サイトに誘導する詐欺メールが出回り、国内でも五輪のチケットを購入したとして金銭を要求する詐欺電話が既に発生している。ある関係者は「網を張るよう警察などに頼み続けるしかない」と苦渋の表情を浮かべた。

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