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【スポーツ】

内村、予選落ち37位 体操全日本選手権

男子個人総合予選あん馬で落下する内村航平

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 世界選手権(10月・シュツットガルト=ドイツ)代表選考会を兼ねた個人総合の全日本選手権は26日、群馬県の高崎アリーナで開幕して予選が行われ、男子で五輪2連覇の内村航平(リンガーハット)が6種目合計80・232点で37位に終わり、上位30人による28日の決勝に進めなかった。両肩痛の影響もあり、あん馬や平行棒の落下などミスが目立った。

 内村は初出場だった2005年大会以来の予選落ち。次の選考会のNHK杯(5月18、19日・武蔵野の森総合スポーツプラザ)で全6種目を演技できず、世界選手権代表入りが厳しい状況となった。

 2連覇を目指す谷川翔(順大)が合計85・566点で首位に立ち、前野風哉(ふうや=セントラルスポーツ)が0・701点差で2位。昨年の世界選手権代表の白井健三(日体大大学院)は82・031点で21位と出遅れ、田中佑典(ゆうすけ=コナミスポーツ)は36位で予選落ちした。

 女子は寺本明日香(ミキハウス)が4種目合計55・999点でトップ、4連覇がかかる村上茉愛(日体ク)が1・134点差で2位。パワハラ騒動を経ての復帰戦だった宮川紗江(高須クリニック)は46・331点で74位だった。

 予選と決勝の合計得点で争われ、平成最後の日本一が決まる。

左肩を押さえ、平行棒で演技を中断した内村航平=いずれも高崎アリーナで

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◆けがで練習不足 落下も

 衝撃的な光景だった。倒立が揺らぎ、着地は乱れ、器具から落ちて顔をゆがめたのは、世界でも負けなしだったかつての王者。「今はもう何もやりたくない。全てが今日終わったという感覚」。惨敗で決勝への道が断たれた内村は、もはや悔しさをにじませることさえしなかった。

 昨秋に左肩を痛め、バランスを崩して右肩にも痛みが及んだ。積んだ練習は求める量と質の3割程度。「練習でできないことは本番でもできない」。あん馬で旋回が乱れて落下。平行棒は技の衝撃で左肩に激痛が走って落ち、絶対的な自信を持っていた鉄棒も着地で前のめりに倒れた。

 個人総合で世界選手権に出場することはできなくなった。6月の全日本種目別選手権の決勝にシードされている鉄棒、NHK杯や種目別に進む可能性が残る床運動の結果次第で、代表入りの道はわずかにある。「でも、かなりゼロに近い」。思わず諦めの気持ちがもれた。

 全日本は昨年敗れるまで10連覇。五輪連覇も遂げた第一人者にとって、この数カ月は堪え難い日々だった。「やる気はあるのにできないのは意味が分からない」。練習から完璧を求めてきたからこそ、ミスを犯す自分が許せない。30歳を超えて衰えた肉体と心がかみ合わず、投げやりになる意外なもろさも出た。

 東京五輪について問われると、「夢物語です、もう」と答えた。本音なのか、口を突いただけなのか。「死ぬ気でやるしかない、こうなったら」。何とか絞り出した言葉に、王者の意地をのぞかせた。 (佐藤航)

 

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