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【スポーツ】

ウルフ初V 最強証明 昨年の雪辱 令和へ好発進

◇柔道全日本選手権

 体重無差別で争う全日本選手権は29日、東京・日本武道館で世界選手権(8月25日〜9月1日・日本武道館)男子100キロ超級の代表最終選考会を兼ねて行われ、2017年世界選手権100キロ級覇者で23歳のウルフ・アロン(了徳寺学園職)が決勝で12年全日本王者の加藤博剛(千葉県警)を延長の末、支え釣り込み足で技ありを奪って優勢勝ちし、初優勝を達成した。

 ウルフは初戦の2回戦から準決勝まで4試合連続で一本勝ち。準々決勝では昨年準優勝で過去3度制覇の王子谷剛志(旭化成)、準決勝で小川雄勢(パーク24)と最重量級の強敵を撃破した。

 16年リオデジャネイロ五輪男子100キロ超級銀メダルで昨年覇者の原沢久喜(百五銀行)は準々決勝で太田彪雅(東海大)に敗れたが、国際大会の実績を考慮され、世界選手権代表に選ばれた。

 五輪覇者の故斉藤仁氏の次男で、史上最年少の17歳1カ月で出場した斉藤立(東京・国士舘高)は3回戦で加藤に一本負け。3位は小川と太田。

 20年東京五輪に向けて日本武道館が改修されるため、来年は千葉ポートアリーナで開かれる。

 100キロ級世界一で流さなかった涙が、無差別日本一ではこぼれ落ちた。ウルフは試合後のインタビューで感極まった。「日本の柔道で一番強いと証明できるのはここしかない。一昨年は2位で、去年はけがで出られなくて…。そんなことも思い出した」

 普段の体重は110キロ前後で、いつも減量に苦しむ。今大会は「一番動きやすい」という108キロで臨んだ。準々決勝は一昨年の決勝で敗れた王子谷に豪快な内股をさく裂させ、準決勝は昨年の世界選手権代表の小川に大内刈りで一本を奪う。100キロ超級のトップ選手に力負けしなかった。

 「減量がないのでパワーを十二分に発揮できた。それに100キロ級のスピードを意識して、自分から先へ先へと組み手を持つように心掛けた」。力強さと速さを兼ね備えた圧巻の闘い。決勝は大会最年長33歳の加藤に対して、あえて長期戦へ持ち込んだ。「長引けば長引くほど(相手が)消耗すると思った」。体力勝負では負けない、ウルフらしい試合巧者ぶりも披露した。

 平成中期は、井上康生や鈴木桂治ら100キロ級の選手が全日本王者に君臨し、日本柔道を支えていた。「小中学生のときから井上先生、鈴木先生を見てきた。またそういう時代をつくりたい。僕がやってやるという気持ちだった」

 そして平成最後の王者として名を刻んだ。「いい締めくくりになった。これから世界選手権、東京五輪がある。令和の時代も最高のスタートを切りたい」。新時代へ向け、希望に満ちた笑顔で、そう語った。 (森合正範)

 

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