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【スポーツ】

炎鵬、業師の本領

炎鵬(左)が上手ひねりで矢後を破る

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◇大相撲夏場所<6日目>

 一人横綱の鶴竜は大栄翔をはたき込みで退け、6戦全勝とした。大関復帰を目指す栃ノ心は逸ノ城との関脇同士の熱戦を寄り切りで制し、同じく全勝キープ。2大関はそろって黒星。豪栄道は千代大龍に引き落とされ、高安は玉鷲に送り出されてともに3敗目を喫した。勝ちっ放しは鶴竜、栃ノ心の2人となり、1敗は平幕の朝乃山と新入幕の炎鵬。十両は貴源治が6戦全勝で単独トップに立っている。

   ◇

 炎鵬は立ち遅れた。相手の矢後とは身長差19センチ、体重差も79キロある。小兵にとって立ち合いの失敗は致命傷となりかねない。それでも「(相手の)動きが見えていた。止まったら相手のペースになる」。休まず揺さぶった。

 懐に入れずいったんは離れ、わざと棒立ちのようになった。相手が突いて押そうとしてきたところ、さっと上体を折り飛び込んでまわしをつかんだ。左の蹴返しで相手の集中を下半身に向けさせるや、上手を取っていた右を引きつける。バランスを崩した相手がよろめくように後退し尻もちをついた。「タイミングはドンピシャ」。決まり手は上手ひねり。業師の面目躍如だった。

 師匠の宮城野親方(元幕内竹葉山)によると、兄弟子の横綱白鵬からは石浦とともに今場所の勝ち越しを厳命されているという。横綱土俵入りの太刀持ちと露払いは幕内の力士の仕事だ。白鵬の土俵入りを宮城野部屋の関取だけで行うのは部屋の悲願。だが今場所は白鵬が休場し持ち越しに。名古屋場所で悲願を達成するには、炎鵬と石浦が幕内にとどまる必要がある。

 夏場所前の綱打ちの際、太刀持ちを炎鵬、露払いを石浦が務め土俵入りの予行演習をした。宮城野親方はその時撮影した写真を携帯電話の待ち受け画面にして、「これだけで終わったらさみしい」と心配していた。ところが、炎鵬は朝乃山とともに全勝の鶴竜、栃ノ心を追う大活躍。このまま白星を重ねれば勝ち越しどころか、三賞の受賞さえ視界に入ってくる。

 炎鵬本人も「1勝5敗の逆の展開を予想していた」。人気もうなぎ上り。「お客さんが毎日、僕に有利な環境をつくってくれている」。歓声を味方につけ、幕内で最も小柄な力士の存在感が日ごと、増している。 

  (禰宜田功)

 

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