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【スポーツ】

寺本V 世界選手権代表 村上、腰痛で棄権 体操・NHK杯

女子個人総合優勝した寺本明日香の床運動=武蔵野の森総合スポーツプラザで

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 世界選手権(10月・シュツットガルト=ドイツ)代表選考会を兼ねた個人総合のNHK杯は18日、東京都調布市の武蔵野の森総合スポーツプラザで開幕して女子が行われ、4月の全日本選手権覇者の寺本明日香(ミキハウス)が合計166・163点で3年ぶり3度目の優勝を果たして代表入りを決めた。

 全日本の得点を持ち点に争われ、2・067点差で2位の畠田瞳(セントラルスポーツ)、4位の杉原愛子(武庫川女大)、7位の梶田凪(中京大)が日本体操協会の選考基準を満たして代表入り。

 3位に入った14歳の畠田千愛(ちあき=セントラルスポーツ)は年齢制限で世界選手権に出られない。

 代表は5人。最後の1人はNHK杯12位以内を条件に6月の全日本種目別選手権(高崎アリーナ)で決まる。全日本で2位の村上茉愛(日体ク)は腰痛で棄権し、代表入りの可能性が消えた。

◆ライバル不在「気が抜けた」

 日本代表をともに支えてきた村上が、直前でまさかの棄権。全日本選手権で一歩リードした寺本にとって、追い上げるライバルの不在は大きかった。「(村上)茉愛がいるといないでは全然違う。気が抜けちゃった」。3大会ぶりの優勝にも喜びは薄かった。

 安定感が際立った全日本予選、決勝の波に乗り、最初の跳馬は出場選手の中で最も難しいDスコア(演技価値点)5・8の「チュソビチナ」の着地を完璧に止めた。段違い平行棒も乱れなくまとめながら、続く平均台は後方への宙返りで落下。最後の床運動も宙返りのひねり不足が続き、「細かいところを意識できていない」と課題を強調した。

 自らへの評価が厳しいのは、代表の軸を担う自覚があるから。東京五輪の団体総合出場枠が懸かる世界選手権は、昨年の世界選手権で個人総合2位の村上抜きを視野に入れなければならない。すでに権利を持つ米国、ロシア、中国を除く予選上位9位に入れば取れる五輪枠については「正直大丈夫だと思う」が、悲願のメダルへ「みんなが4種目そろえないとだめ」と気を引き締めた。 (佐藤航)

◆村上無念の涙「1年を無駄に」

 村上は試合前練習で腰痛を悪化させ、世界選手権代表入りがかかった大一番を棄権する苦渋の決断となった。6月の全日本種目別選手権で決まる最後の代表1枠や補欠も、NHK杯12位以内が前提のため、「1年を無駄にしてしまった」と涙を浮かべた。

 1週間前の平均台の練習中に痛めたという。この日は痛み止めを打って練習に臨んだが、跳馬の着地で再び痛みが走り、「この状況で演技できる自信がない」と判断。診断は全治3週間。けがをした時期が悪すぎた。

 日本体操協会の田中光女子強化本部長は「村上選手が抜けてもきっちりやれば五輪枠は取れるが、日本として非常に痛い」。救済を視野に、世界選手権の代表選考基準の見直しを協会の理事会に提案する可能性も示したが、公平性を考えると実現は難しい。

 世界選手権は全日本選手権で予選落ちした男子の内村航平(リンガーハット)に続き、現状では女子も大黒柱を欠くことに。

 試合前、寺本に「ごめんね。任せた」と告げた村上。仲間の健闘を祈るしかないもどかしさをのぞかせた。 (佐藤航)

 

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