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【スポーツ】

強行 貴景勝、空回り 立ち合い変化に対応できず

はたき込みで碧山に敗れた貴景勝(左)

写真

◇大相撲夏場所<8日目>

 右膝負傷による休場から再出場の新大関貴景勝は小結碧山にはたき込まれて3敗目(2休)を喫し、再び休場の方向となった。

 一人横綱の鶴竜は玉鷲に押し出され、全勝が止まった。玉鷲は令和初となる金星で3個目。大関復帰を目指す関脇栃ノ心は遠藤の上手出し投げに敗れ、初黒星となった。

 他の2大関は豪栄道が小結御嶽海、高安が隠岐の海を寄り切り、ともに5勝目。

 全勝が消え、1敗は鶴竜と栃ノ心、平幕朝乃山の3人。十両は貴源治が8連勝で単独首位をキープ。

   ◇

 大関では68年ぶりの再出場となる土俵に上がった貴景勝は、簡単に碧山に敗れた。支度部屋で9日目以降の出場について「自分次第。出られると思えば出る」と歯切れの悪い言葉。師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)は「本人が一晩考えて、どう思うか。無理はするなと言っている」。結局、異例中の異例である再休場を余儀なくされそうだ。

 碧山との一番は、まさかの展開だった。立ち合いで鋭く突っ込むと左へ動かれた。痛めている右脚で踏ん張ったが次の一歩が出ず、はたかれてあっけなく土俵にはう。本来の姿とは程遠かった。

 注目の一番に水を差す相撲となり、碧山は「思い切り当たろうと考えたが、最後の最後で変えた」。無理もない。目の前の貴景勝は普段しないテーピングで右膝を固め、取組直前の所作もぎこちない。碧山は「同じ場所をけがしたことがあり、痛みが分かる。やりにくい」と吐露。土俵下で見届けた高田川審判長(元関脇安芸乃島)は碧山をかばい、「痛々しく見える所作はしないこと。相手は(激しく当たることを)嫌がる」と大関に注文を付けた。

 再出場には疑問の声も上がっていた。だが「武士道」を身上とする貴景勝は「嫌な経験が精神を強くしてくれる」。再出場した最大の理由は自身の成長を求めたから。碧山に敗れた後も「痛みはない。(残りは)全部勝つ」「休むのは簡単。こういう逃げ方を今までしてこなかった」などと語り、強気の姿勢も見せていたのだが。

 再出場してわずか1日で再び休場すれば、看板力士として軽率な行動と受け取られかねない。理解してもらうためにも、今後はいい相撲でファンに喜んでもらうのは当然のこと、大関としての自覚ある振る舞いも求められるだろう。 (対比地貴浩)

 

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