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【スポーツ】

朝乃山一気、躍り出た 25歳の大器、平常心

朝乃山(右)が寄り切りで佐田の海を下す

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◇大相撲夏場所<11日目>

 1横綱2大関を含め関脇以上が総崩れの波乱。横綱鶴竜は平幕妙義龍に押し出されて2敗目を喫した。妙義龍は4個目の金星。平幕朝乃山が佐田の海を寄り切り、10勝目を挙げて単独トップに立った。

 大関高安は小結碧山に押し出され、大関豪栄道も竜電の上手出し投げに屈し、ともに4敗目。大関復帰まであと1勝の関脇栃ノ心は阿炎にはたき込まれて9勝2敗となった。

 日本相撲協会広報部の資料によると、1場所15日制が定着した1949年夏場所以降、出場した横綱、大関、関脇が全て敗れる(不戦敗を除く)のは初めて。

     ◇

 土俵の下では困惑し、支度部屋では苦笑いするしかなかった。「どっちか分からない。勝ったのか負けたのか」と朝乃山。佐田の海を寄り切った一番に、勇み足があったように見えて物言いがついた。

 長い協議を終えた阿武松審判部長(元関脇益荒雄)のアナウンスは「朝乃山のかかとが先に出ており、朝乃山の勝ち」との説明。館内がざわつき、結局「佐田の海のかかとが先に出ており、朝乃山の勝ち」と言い直した。

 土俵外でのドタバタとは裏腹に、相撲は朝乃山の良さが一目で分かる快勝だった。「思い切りぶつかって、右を差して寄っていけた」。端的な勝者の弁が、スケールの大きな相撲ぶりをそのまま言い表す。速攻が得意な佐田の海に何もさせなかった。

 この日から八角理事長(元横綱北勝海)に代わって報道陣に対応した尾車事業部長(元大関琴風)は「圧倒するような圧力、一気に芽が出てきた。正攻法だから番付上位でも取れる」と手放しで褒めた。器も期待も大きい25歳。一躍主役に躍り出るだけの魅力を秘める。

 さらに勝ち続ければ、上位陣とも対戦が組まれる可能性が高い。12日目は初場所を制した実力者の玉鷲戦。朝乃山は「余計なことは考えない。上位相手にいかに自分の相撲を取り切れるか」と平常心を強調する。

 一方で幕内終盤では、結びの一番まで立て続けの番狂わせで館内がどよめいた。優勝争いをリードしてきた鶴竜と栃ノ心に加えて2大関にも土がついた。混戦の様相がさらに色濃くなった優勝争い。朝乃山が単独トップに立ったように、22歳の新大関貴景勝が休場してもなお、世代交代のうねりが近づいている予感を抱かせる。 (海老名徳馬)

 

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