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【スポーツ】

朝乃山、首位残った 協議6分超 行司差し違え

朝乃山(手前)が寄り切りで栃ノ心を破る

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◇大相撲夏場所<13日目>

 平幕朝乃山が軍配差し違えで関脇栃ノ心に寄り切りで勝って11勝目を挙げ、単独トップに立った。2敗で並んでいた横綱鶴竜は大関高安に押し出された。朝乃山が14日目に大関豪栄道に勝ち、鶴竜が栃ノ心に負けると、朝乃山の初優勝が決まる。

 10勝すれば大関復帰が決まる栃ノ心は3連敗で9勝4敗。高安は勝ち越した。豪栄道は9勝目を挙げた。2敗の朝乃山を3敗で鶴竜が追い、4敗は豪栄道、栃ノ心ら4人。十両は貴源治が12勝目を挙げて単独首位を維持した。

   ◇

 栃ノ心のすくい投げから崩れた朝乃山が先に倒れたとみて、行司の軍配は栃ノ心に上がった。朝乃山も「自分が先に落ちて負けたと思った」。黒星を受け入れた。優勝争いから一歩後退。うなだれるように両手を土俵についた。

 だが、物言いがついた。「かかとが砂を連れてきたように見えた」とは土俵下の放駒親方(元関脇玉乃島)。栃ノ心の右のかかとが先に土俵を割ったという見解。映像を確認するビデオ室は「判断できない」として、土俵上の審判に委ねた。協議は6分余り。異例の長さとなった。

 栃ノ心の足が出ていたとすれば、朝乃山が倒れるより明らかに早いため、同体による取り直しの選択肢はない。「審判でも意見は割れた」と阿武松審判部長(元関脇益荒雄)。難しい判断だったが、最終的に最も近い位置に座っていた放駒親方の意見を採用。行司軍配差し違えで、朝乃山の寄り切りに決した。

 巡業中に稽古をつけてもらった栃ノ心の怪力は身に染みている。朝乃山は「左上手を取り、左上手を取られないようにして走るしかない。止まったら負け」。無心に足を運んだ結果だった。

 結びの一番で鶴竜が敗れ、賜杯レースで再び単独トップに立つと、みるみる顔がほころんだ。14日目にも初優勝が決まる状況だが「何もないです」と自らに言い聞かせるように語った。

 富山市出身。特産のブリは縁起が良いとされる。優勝すればタイを持って祝うのが慣例だが、朝乃山はこう語った。「タイじゃなくブリを用意してもらおうかな」。本心をのぞかせた。 (禰宜田功)

 

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