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【スポーツ】

川井梨、伊調破りV レスリング・全日本選抜選手権

女子57キロ級決勝で伊調馨(左)を破り優勝、喜ぶ川井梨紗子=駒沢体育館で

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 世界選手権(9月・カザフスタン)代表選考会を兼ねた全日本選抜選手権最終日は16日、東京・駒沢体育館で行われ、女子57キロ級決勝で2016年リオデジャネイロ五輪63キロ級金メダルの川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)が昨年の全日本選手権覇者で五輪5連覇を目指す伊調馨(ALSOK)を破り、代表争いはプレーオフ(7月6日・和光市総合体育館)に持ち込まれた。

 50キロ級決勝で昨年の世界選手権優勝の須崎優衣(早大)がリオ五輪48キロ級女王の登坂絵莉(東新住建)にテクニカルフォール勝ち。プレーオフで全日本覇者の入江ゆき(自衛隊)と対戦する。53キロ級は向田真優(至学館大)、68キロ級は土性沙羅(東新住建)が全日本に続いて制して代表入り。

 男子はフリースタイル65キロ級決勝でリオ五輪57キロ級銀メダルの樋口黎(れい=日体大助手)が昨年の世界王者の乙黒拓斗(山梨学院大)にテクニカルフォール勝ちし、両者によるプレーオフが決まった。グレコローマンスタイル60キロ級では文田健一郎(ミキハウス)が全日本に続いて頂点に立ち、代表入りを決めた。

◆宿命の女王対決 来月決着

 2人の世界女王による再戦は、前半を終えて川井梨の1−0。技による得点はなかった。消極的な姿勢による罰則点だけ。ただ、結果的にはこの3分間の戦いが、勝負の行方を決定付けた。

 立ち上がりに組んだ瞬間、「気持ち負けした」と伊調。力強く前に出てくる後輩の圧力に、気持ちが引けた。姿勢の違いは、後半になって表れた。開始早々、川井梨がタックルに飛び込むと、伊調に上からつぶされ、反撃を受けかける。しのいだ川井梨は、再び右足タックルに。今度は決まり、背後を取って続けざまに伊調を転がし、一気に4点を奪った。

 日本協会の西口茂樹強化本部長は、この場面を大きく評価する。「1回つぶされていて、反撃のリスクがあるのに、またタックルにいった。その勇気が良かった」。消極的な姿勢に終始し、逆転負けを喫した昨年末の全日本選手権とは別人だった。

 号泣し、落ち込み、悔しさを乗り越えてきた川井梨。「残り1秒で勇気を出しても意味がない。最初から出し切らなきゃ」。前半から攻め続ける姿勢が雪辱につながった。

 ともに組み手の巧みさで世界の頂点に君臨した。伊調は両者のレスリング技術について「差はない」と断言する。最高峰の戦いを分けるのは気持ちの強さ。決着の舞台は7月のプレーオフ。三たび、心が問われる。 (多園尚樹)

 

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