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【スポーツ】

<桜の仕事人 ラグビーW杯>(1)フランカー・ナンバー8 チームの要、花形戦士

ボールを持って前に進む姫野和樹(左)=宮崎市で

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 15人が同時にプレーするラグビー。全てのポジションに特徴があり、求められる能力も変わる。開幕まで3カ月を切ったワールドカップ(W杯)に挑む日本代表も多士済々。個性を生かしてボールをつなぐ職人と、その役割を紹介する。

 密集戦でひときわ存在感を発揮する。前線で体を張るFWの中でも、スクラムを組む位置から「FW第3列」と呼ばれるフランカーとナンバー8。常にボールに絡む花形のポジションに、各国は精鋭をそろえる。いかにボールを奪い、いかに前に進むか。ここで主導権を握ることは、試合の流れを支配することに等しいからだ。

 日本のフランカー姫野和樹(トヨタ自動車)がラグビーの聖地で見せたのも、そんなプレーだった。昨年11月、英国ロンドン郊外の「トゥイッケナム」で行われたイングランド戦。後半、日本が自陣ゴール前に攻め込まれた場面で、姫野の手がタックルで倒した相手の手元へ。腕力で相手ボールをもぎ取り、相手の反則を誘った。

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 「ジャッカル」と呼ばれる、ボールを奪い取る防御の技。攻めても激しいタックルを受けながら、倒れずにボールを前へ運んだ。「自分のプレーに満足している」。試合後、世界とやり合えることを示して胸を張った24歳のホープ。密集戦で優位に立てるかどうかは、テンポ良く攻めたい日本にとっても生命線と言っていい。

 2003年、07年と2大会連続で主将としてW杯を戦った元代表ナンバー8の箕内拓郎さん(43)は「まずはフィジカルが強くないといけない」と激戦区に必要な要素を指摘。さらに「攻撃だけでなく防御でも強いタックルで相手の落球を誘ったり、密集でボールを取り返したりと80分間ハードワークを続けなければいけない」と運動量の多さも強調する。

 過去の日本代表では屈強な相手に対抗するため、外国出身選手をFW第3列に置くことが多かった。1999年大会は現日本代表ヘッドコーチで、ニュージーランド出身のジェイミー・ジョセフがナンバー8で出場。南アフリカから金星を挙げるなど躍進した15年大会でも、リーチ・マイケルやツイ・ヘンドリックら6人全員を外国出身者で固めた。その中で187センチ、112キロの姫野について箕内さんは「海外選手以上のパワーがある」と資質を認める。

 必要な素養はもう一つ。過去のW杯4大会では第3列の選手が主将を担った。チームの中盤を支えるポジションには、キャプテンシーも求められる。春の遠征で主将を務めた姫野も「将来は主将としてやっていきたい」と既に自覚を持つ。心身両面でチームの柱となる屋台骨。第3列が揺らがないことが、世界の強豪と対峙(たいじ)する絶対条件となる。 (この連載は対比地貴浩、平井良信が担当します)

元日本代表ナンバー8の箕内拓郎さん=東京都日野市で

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