東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > スポーツ > 紙面から > 7月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【スポーツ】

2冠サニブラウン、ライバルが語る強さ 「後半の伸び」「心の強靱さ」

男子200メートルで優勝し、メダルを手に笑顔を見せるサニブラウン・ハキーム(中)、左は2位の小池祐貴、右は3位の桐生祥秀=博多の森陸上競技場で

写真

 6月27〜30日に開催された陸上の日本選手権。20歳のサニブラウン・ハキーム(米フロリダ大)が圧倒的な走りを見せ、2年ぶりに男子100メートル、200メートルの2冠に輝いた。戦った選手の目にはどう映ったのか。ライバルたちの言葉から王者の強さをひもといていく。 (森合正範)

 28日の100メートル決勝は雨でトラックがぬれ、向かい風0・3メートルの悪条件。そんな中、サニブラウンは10秒02の大会新記録で優勝した。

 4位の飯塚翔太(ミズノ)は「やっぱり強い。このコンディションなのに」と驚きの表情。隣のレーンを走った2位の桐生祥秀(日本生命)は「後半の爆発力は今の日本人で一番。その差はまだある。走ったときの後半の伸びですね」と「後半」を強調した。

 実際、スタートの反応時間を示す「リアクションタイム」は8人中7番目。出遅れたサニブラウンは中盤で追い抜き、後半に引き離した。

 日本陸連の科学委員会によると、50〜60メートル区間で最高速度の秒速11・57メートルに到達。その後もピッチの速さ、ストライドの長さは変わらず、安定した走りで最後まで速度をほぼキープした。

 一方、桐生と3位の小池祐貴(住友電工)は80メートル以降のピッチは緩やかになり、ストライドは伸び、わずかに速度を落とした。この違いが桐生の言う「後半の差」になっている。

 200メートルでも2位に敗れた小池は強さの一つとして「強靱(きょうじん)なメンタル」を挙げた。ウオーミングアップやレース前の様子を見ていると「勝ちたい」ではなく「自分の走りさえすればいい」と伝わってきたという。「精神的な余裕が大きい。話していても自然体。自分の走りをすることが大事だと改めて感じた」

 29日の200メートル予選で同組だった藤光謙司(ゼンリン)も心の強さに一目を置く。「彼が出てきた時(2015年)から一緒に代表でやっているけど、肝が据わった選手」と分析する。

 一例として挙げたのは、米フロリダ大に進学した、海外拠点の決断。「僕らはまずリスクを考えてしまう。でも、彼はリスクより可能性。誰もやってないことをポジティブに挑戦する姿勢が素晴らしい」。慣れない環境でもまれ、高いレベルで競い、結果を残した。それがさらなる自信になっている。

 「9秒台対決」として注目された桐生は「勝ちたかった」と悔しさをにじませ、飯塚は「彼に置いていかれないように」と刺激を受けた様子。サニブラウンの存在が日本短距離の競技力をさらに高めていくだろう。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報