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【スポーツ】

川井梨、伊調破り世界切符 レスリング代表選考プレーオフ 女子57キロ級

女子57キロ級で伊調馨(右)の足を取る川井梨紗子=和光市総合体育館で

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 世界選手権(9月・カザフスタン)代表選考プレーオフは6日、埼玉県の和光市総合体育館で男女計6階級が行われ、女子57キロ級は2016年リオデジャネイロ五輪63キロ級女王の川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)が五輪4連覇の伊調馨(ALSOK)に勝って代表入りを決めた。

 川井梨は終了間際に3−3に追い付かれたが、相手より高得点の決まり手が多い「ビッグポイント」で内容勝ち。20年東京五輪予選の世界選手権で表彰台に立つと、日本協会の選考基準を満たして五輪切符を得る。

 プレーオフは昨年12月の全日本選手権と6月の全日本選抜選手権の優勝者が異なる階級で実施。女子50キロ級は入江ゆき(自衛隊)が昨年の世界選手権優勝の須崎優衣(早大)を破った。

 男子のフリースタイルで65キロ級は昨年の世界王者の乙黒(おとぐろ)拓斗(山梨学院大)がリオ五輪57キロ級銀メダルの樋口黎(れい=日体大助手)を下し、74キロ級は奥井真生(まお=自衛隊)、125キロ級は荒木田進謙(のぶよし=athletic camp LION)、グレコローマンスタイル77キロ級は屋比久(やびく)翔平(ALSOK)が代表入りした。

◆1点差残り10秒「冷静だった」

 「試合の内容はあまり記憶がない」。激戦の直後、川井梨はそう振り返った。唯一、鮮明に覚えていたのは残り5秒ほどの場面。「そのときだけは冷静だったのかな」

 1点リードで残り10秒を切った。伊調が仕掛けたタックルが決まる。川井梨は踏ん張るそぶりもなく、あえて外に押し出される。1点を与え、3−3の同点になった。

 自ら選んだ場外逃避だった。第2ピリオド。相手のタックルが不発になった直後、バックを取って2得点を奪っていた。同点で終えれば「ビッグポイント」という一つの技でより大きな得点を奪った側が勝利する。そのルールをしっかりと意識し、落ち着いて試合を締めくくった。

 対照的だったのは昨年12月の全日本選手権決勝。前半途中、伊調の消極的な攻めにより、あと数秒で罰則点を得られる場面があった。川井梨は構わずタックルに入り、伊調の片足を持ち上げた。体勢をキープして数秒の時間を稼げば、罰則点を取った上で、さらに押し出して計2点を奪えた。だが、慌てるように押し出すだけで得点は1点。その1点差に泣いた。

 「冷静になってるし、進化している」。日本協会の西口茂樹強化本部長は技術面よりも、川井梨の精神面の成長に目を細めた。難敵に競り勝ちながら、喜びを前面に押し出さなかったのは、成長の表れかもしれない。

 五輪切符が懸かる世界選手権は「去年優勝しているから確実(に優勝できる)というわけじゃない」。目指すは62キロ級で世界選手権に臨む妹・友香子との五輪出場。夢の実現に、さらに気を引き締めた。 (多園尚樹)

<かわい・りさこ> 2016年リオデジャネイロ五輪女子63キロ級金メダル。17、18年は世界選手権を連覇。妹の友香子とともに東京五輪に出場することができるよう階級を57キロ級に下げた。至学館大(愛知県大府市)を経て、17年4月からジャパンビバレッジ所属。160センチ。24歳。石川県津幡町出身。

<同点の場合の勝敗決定> 試合終了時にポイントが並んだ場合、(1)得点のより高い技を決めて「ビッグポイント」を挙げている選手(2)警告が少ない選手(3)最後にポイントを取った選手−の順に勝敗を決する。57キロ級では1ポイントの得点を重ねた伊調に対し、2ポイントの技を決めていた川井梨が(1)の規定で勝利した。

 

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