東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > スポーツ > 紙面から > 7月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【スポーツ】

村田奪還、野性の拳 再戦の王者を2回TKO

2回、ロブ・ブラント(左)を攻める村田諒太=エディオンアリーナ大阪で

写真

 ダブル世界戦は12日、大阪市のエディオンアリーナ大阪で各12回戦が行われ、世界ボクシング協会(WBA)ミドル級は前王者で同級4位の村田諒太(帝拳)が王者ロブ・ブラント(米国)との再戦を2回2分34秒、TKOで制して9カ月ぶりに王座に返り咲いた。日本ジム所属選手で、世界王座を取られた相手から奪い返したのは輪島功一(2度)と徳山昌守に次いで3人目。

 村田は2回に果敢に打ち合ってダウンさせると再開直後からラッシュを仕掛け、主審が試合を止めた。

 33歳の村田の戦績は17戦15勝(12KO)2敗、28歳のブラントは27戦25勝(17KO)2敗。

 世界ボクシング評議会(WBC)ライトフライ級チャンピオンの拳四朗(BMB)は同級1位のジョナサン・タコニン(フィリピン)を4回1分0秒、TKOで下して6度目の防衛に成功した。右カウンター一発で試合を決める完勝だった。

 戦績は27歳の王者が16戦全勝(9KO)、32歳のタコニンは33戦28勝(22KO)4敗1分け。

◆不安があるから成長「98%引退」から再起

 こんな村田は見たことがなかった。1回から前に出てきた王者に対して応戦する。私闘。殴り合い。ボクシングの原点だ。プロ17戦目。初めて感情をむき出しに打ち合った。「相手が予想外に出てきて面食らった。これで逃げたらチキン(弱虫)。これが最後の試合になるかもという気持ちがあった」

 昨年10月の初戦ではなかった勇気と覚悟。被弾しても踏み込んでパンチを打つ。前へ前へ出る。パワーに勝る村田がぐいぐい押し込んでいく。

 熱くなりながらも冷静さを失わなかった。効果的なボディーを何度も放つ。2回、右からの連打でダウンを奪うと、その後もラッシュ。「ぶっ倒す」と気持ちの入ったボディーからアッパー。パンチが止まらない。ブラントは棒立ちだ。「はよ(レフェリーが)止めろよと思った。ホッとした」。雪辱。村田は放心状態になった。

 初戦に完敗後、「98%くらい辞めようと思っていた」と引退に傾いていた。2%の心残り。「人生を振り返ったときに、あの試合が最後でいいのか」。2%が少しずつ広がっていき、「このままでは終われない」と再起を決意。「正直言って(再戦は)ずっと不安があった。でも、不安があるから成長できる」。足りない点を補い、攻撃的ボクシングで新境地を開拓した。

 再戦発表会見で「これが最後の試合になるか。村田をもっとみたいと言ってもらえるか。判断される試合」と自ら言った。会場は村田コールに包まれ、異様な盛り上がり。新王者は「まだ夢見心地」と傷だらけの顔で笑った。 (森合正範)

◆「僕の夜だった」

<村田諒太の話> 練習したことが出せた。前回はブラントの夜で、きょうは僕の夜だった。今回は絶対に負けない、といつもより強い気持ちだった。

◆「序盤、攻めすぎた」

 ブラントは1回から手数を出して圧力をかけたが、2回に反撃を受けてダウンを喫し、最後は集中打を浴びた。

 昨年10月には圧倒した挑戦者にリベンジを果たされ「序盤から私が攻めすぎたのが、ミスだったかもしれない」と裏目に出た結果を受け止めた。

<むらた・りょうた> 南京都高(現京都広学館高)から東洋大進学。12年ロンドン五輪ミドル級で金メダル。13年8月プロデビュー。17年10月にエンダム(フランス)との再戦にTKO勝ちし、日本選手2人目の同級世界王者に。昨年10月に米国でブラントに敗れ2度目の防衛に失敗。右ストレートが武器のボクサーファイター。33歳。奈良県出身。

写真
 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報