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【スポーツ】

全勝鶴竜 平常心 横綱、大関で唯一の出場

鶴竜(右)が突き倒しで琴奨菊を下す

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◇大相撲名古屋場所<11日目>

 横綱鶴竜は平幕琴奨菊を突き倒して無傷の11連勝とし、単独トップを守った。横綱白鵬は大関高安の休場による不戦勝で10勝1敗。昭和以降初めて4大関が不在となった。

 関脇御嶽海は明生を寄り切って7勝目。新小結竜電は遠藤に寄り切られて負け越した。

 勝ちっ放しの鶴竜を1敗で白鵬が追い、2敗で平幕の友風と照強の2人が続く展開となった。十両は剣翔が2敗で単独首位を維持した。

    ◇

 結びの一番。札止めの館内から普段以上の期待がかかっていた。高安の休場で白鵬が不戦勝となり、横綱、大関陣で相撲を取るのは鶴竜だけ。全勝を守るだけでなくファンを満足させるだけの内容が求められる土俵だったが、鶴竜は「ただ自分の相撲に集中する」と動じなかった。

 判断力と反応の速さで劣勢をはね返した。琴奨菊に得意の左差しを許し、がぶり寄られて一気に下がったが「慌てなかったのがよかった」。俵に詰まりながら、右上手を振り回すようにこらえた。

 さらに頼みの右上手が肩越しの力が入らない位置にずれて切られたようにも見えた。実は「自分で離した」。琴奨菊を今度は下から押し上げ、最後はあおむけに突き倒す。「体がよく反応した」。いつも通りの淡々とした口調に、単独首位を守った充実ぶりがにじんだ。

 優勝を意識は「したくない」と答えるのも普段通り。最近は平成最後や令和最初の場所でも、節目の優勝を「全然気にしない」と平常心を貫いてきた。周りの状況にあえて気持ちを向けない理由がある。過去に苦い思い出が「あったということだね」と話す。

 昨年の初場所は10連勝から4連敗。秋場所も10連勝の後に5連敗した。優勝がちらつけば勝ちたくなる。「気持ちばかり先走って自分の相撲が取れない。無理な引きとか出てくる」。相撲が乱れて崩れた経験が、優勝を頭から切り離す姿勢を生んでいる。

 八角理事長(元横綱北勝海)は「(大関が)休場になったけど、これでお客さんもね。しっかりしたいい相撲で、これで勘弁してもらいたい」と鶴竜の相撲を評価した。白星と相撲内容で土俵を引き締める。横綱の役割を果たし続ければ、意識から遠ざけている6度目の優勝が近づいてくる。 (海老名徳馬)

 

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