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【スポーツ】

<取材ノート>ピッチ内外 仲間救う言葉 ラグビー日本代表・ベテラン堀江

軽妙な話術で後輩のバル・アサエリ愛(右)を助けた堀江翔太=岩手県大槌町で

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 ほほえましい光景だった。27日に岩手・釜石で行われたラグビーのパシフィック・ネーションズカップ(PNC)、フィジー戦で快勝した日本代表。その2日前に開かれた会見冒頭でのこと。ベテラン堀江翔太(33)=パナソニック=が、笑みを浮かべながらささやいた。「初めてか?大丈夫や。いつもと変わらん」

 PNCは9月開幕のワールドカップ(W杯)日本大会の前哨戦で、この日は豪華な会場に50人以上の報道陣が出席。堀江とともに登壇した代表経験の浅いバル・アサエリ愛(30)=同=は大掛かりな会見が不慣れで、隣に座る先輩に「緊張する」と漏らした。それを受けて落ち着かせようと、堀江はささやいたのだ。

 ささやきは、これで終わらない。会見終盤。代表の一体感を高めようと今月、合宿先の宮崎県内にある神社で、さざれ石を見学した感想を問われたときもだった。

 さざれ石は、小石が年月をかけてまとまり岩になったもの。君が代の歌詞に出てくるが、バルが緊張して答えに窮すると「ちっちゃな石が大きくなって一つになる…」とヒントを与えた。それでも、まごつく相棒に代わり、おどけて会話を引き継ぎ「僕には力になった」とフォローした。バルがトンガ出身の点を配慮し、場を和ませる機転。そこに歴代10位の59キャップを保持する百戦錬磨のメンタルが垣間見えた。

 フィジー戦では、堀江はフッカー、バルは右プロップとスクラムを最前列で組むフロントローで先発。そのスクラムは約2週間前にルールが変更され日本にとっては初実戦だったが、堀江はバルに助言しながら息を合わせた。ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチも「限られた時間でよく対応できた」と評価する。

 PNC以上の重圧と興奮うずまくW杯で解決策を出すには、意思疎通が欠かせない。開幕迫る大舞台。堀江はどんな言葉で味方のピンチを救うだろうか。 (対比地貴浩)

 

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