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【スポーツ】

<熱球>星稜・奥川 全開23K 「出し切った」

智弁和歌山−星稜 14回165球を投げ抜いた星稜・奥川=甲子園で

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◇全国高校野球選手権<第11日> 星稜4−1智弁和歌山

 星稜は福本がサヨナラ本塁打。1−1で延長十二回を終え、タイブレークへ。同点の十四回に、福本が左中間に3点本塁打を放った。奥川は150キロ台の真っすぐと鋭い変化球で23三振を奪った。3安打に抑えて、1失点完投。

 智弁和歌山は六回に西川の適時打で追い付いたが、七回以降はわずかに1安打。粘り強く投げていた池田が力尽きた。

   ◇

 校歌を歌う星稜のエース奥川は何度も目頭をぬぐった。「向こうも本気で日本一を目指してきたチーム。試合後に『日本一になってくれ』と言われて」。強豪智弁和歌山に勝った喜び、今大会初のタイブレークとなった延長14回を投げきった安堵(あんど)感、敗者の痛みも分かるからこそ、感情が込み上げた。

 最速は154キロ。奪った三振は23。強打が自慢の相手をわずか3安打に封じた。「出し切らないと抑えられない。すべてが指先に集中していた」。これまで投げなかったフォークボールも解禁した。

 圧巻は右脚ふくらはぎがけいれんを起こし、ベンチ裏で治療を行った直後の十二回。「(自分がけがをして)相手にしたら攻めどころ。気持ちを入れ直した」。4番徳丸を外角の変化球で、5番根来はフォークボールで、6番東妻からは152キロの直球でそれぞれ空振りを誘い、主軸から3者連続三振を奪った。

 「今までのベストピッチ。相手に牙をむくよう。声をかけられないほど集中していた」と林監督。昨夏は2回戦の済美戦でタイブレークの末、延長十三回に逆転サヨナラ本塁打を浴び敗れた。その試合で奥川は四回でけがのため降板していた。それだけに「昨年みたいになりたくない。投げきろうと思った」。マウンドを譲る気はなかった。

 魂の165球。自己評価は80点と辛口だった。「まだまだやりたいことはたくさんある。満足することなく成長していきたい。出し切って最高の夏にしたい」。一回りも二回りもたくましさを増した背番号1の姿があった。 (禰宜田功)

延長を制し、校歌が流れ号泣する奥川(左から3人目)

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<江川に並ぶ奪三振記録> 星稜の奥川恭伸投手は17日、延長十四回タイブレークの末に勝った智弁和歌山戦で完投して23三振を奪った。第55回大会(1973年)で作新学院の江川卓が柳川商戦(延長十五回)でマークした23奪三振に並んだ。延長試合の最多奪三振は、第40回大会(58年)で徳島商の板東英二が魚津戦(延長十八回)で記録した25。

<高校野球のタイブレーク> 早期決着を目指して、延長戦で人為的に走者を置く特別ルール。甲子園大会では昨春の選抜大会から導入された。夏の全国選手権大会や地方大会でも採用。延長十三回無死一、二塁から継続打順で開始し、試合の決着がつくまで繰り返される。決勝はこれまで同様に延長十五回まで行い、同点の場合は引き分け再試合となる。

 

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