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【スポーツ】

「誰もが楽しむ契機に」 日本障がい者サッカー連盟・北沢豪会長 東京パラリンピックへ思い

東京パラリンピックへの思いを語る北沢さん=東京都内で

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 サッカー、フットサルの日本代表として活躍した北沢豪さん(51)は、日本障がい者サッカー連盟の会長を連盟が設立された2016年から務めている。02年のサッカーのワールドカップ(W杯)日韓大会後に行われた、知的障害者の世界大会では日本チームのテクニカルアドバイザーに就いた。現役時代から障害者スポーツにかかわってきた北沢さんに20年東京パラリンピックへの思いを聞いた。 (伊東朋子)

 −東京パラリンピックまであと1年に迫った。

 「東京五輪の1年前と同じくらい盛り上がることが理想だが、置かれてきた環境などが違い、差が出ている。スポーツの定義であるいつでも、どこでも、誰でも楽しめるという、誰でもというところを東京パラリンピックを契機に変えていかないといけない」

 −どう関わりたいか。

 「本番の前に応援者を増やす活動をしていきたい。欧州や米国では障害者の大会にたくさんのお客さんが入る。日本では関係者だけの無料試合が多い。パラリンピックは観客からの外的刺激も受けて、モチベーションを上げて、パフォーマンスにつなげていく舞台。有料試合が増えれば、パラリンピック競技や障害者スポーツの環境を整える資源に回せる。見る側もただ試合を見るためにお金を払うわけではない。普及や強化、環境づくりに使われると分かって投資して、1年後や何年か後に新しいものが見られる機会が回ってくる。いつまでも無料では発展がない」

 −五輪とパラリンピックの共通点は。

 「汗をかくことがスポーツと思われるが、そうではない。楽しむ、熱中できる、自分が入り込んでしまう、それを見る周りの人が熱くなってしまうのがスポーツ。日の丸を背負う責任感は同じ」

 −障がい者サッカー連盟は視覚障害のほか、聴覚、切断など七つの障害者サッカー団体が集まっている。

 「パラリンピック競技のブラインドサッカー(5人制サッカー)は、視覚障害のないGKと視覚障害のあるフィールドの4人で行われる。ゴール裏にはゴールまでの距離や角度を伝えるガイドがいて、ピッチサイドでは監督が声で指示を送る。まさに健常者と障害者の融合だと思う」

 −障害者スポーツと出合って変わったことは。

 「自分も必死にサッカーと向き合ってきたが、何倍も努力している彼らと話すと感心させられる。学生時代など、もっと早く彼らと出会っていればもっとすごい選手になれた。だから今、育成世代の代表活動があるときに障害者と一緒にやったり、ユース世代にブラインドサッカーを体験してもらったりしている」

 −東京でパラリンピックがある意義は。

 「障害者やパラリンピック競技への認知が進む方向へ変わる契機にしないといけない。今後、日本は少子高齢化が進む。障害でなくても、車いすを使用したり、目や耳が不自由になったりもする。だから誰もが住みやすい町づくりが必要になる。誰もができるスポーツを認識づけることは、誰もが生活しやすい社会というものを浸透させていくことにつながると考えている」

<きたざわ・つよし> 1968年8月10日生まれ、東京都町田市出身。87年、日本サッカーリーグの本田技研へ入団し、91年に読売クラブ(のちのV川崎、現東京V)へ移籍。93年に開幕したJリーグではV川崎の黄金期を支えたMF。91年に日本代表デビューし、58試合で3得点。フットサルの第1回世界選手権(現ワールドカップ)にも出場した。

 

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