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【スポーツ】

炎鵬、負けても縦横 反り技で観客沸かす

炎鵬(下)は浴びせ倒しで松鳳山に敗れる

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◇大相撲秋場所<4日目>

 相手の懐に入っただけで大歓声を受けられるのは、角界広しといえどもこの男だけだ。関取最軽量の炎鵬。松鳳山に浴びせ倒しで敗れ、連勝は3で止まったものの、「力負けしていない。ちょっとでも通用したのかな」。花道を去る背中に万雷の拍手が送られた。

 今年の夏場所、名古屋場所で対戦し、ともに敗れている松鳳山が相手だった。特に7勝7敗で迎えた夏場所の千秋楽では熱戦の末に敗れ、負け越していた。この日の朝稽古後には「自分が成長する糧になっている。あれからどれくらい(差を)縮められるか」と振り返り、進化の度合いを測る意味で対戦を心待ちにしていた。

 立ち合いで突き起こされ張り手をくらった。土俵際で何とかかいくぐり、低い姿勢で下手を取った。半面、上からのしかかられ、首に腕を回され、背中越しに上手も取られた。だがあきらめない。「土俵の中央に戻りたかった」。2度、反り技を見せ反撃を狙った際は、土俵スレスレまで腰を下ろしてますます観客を沸かせた。それでも最後は体を預けらればったり。「もっと我慢して、じりじり自分の形にもっていければ。後手に回ったのが良くなかった」と反省した。

 前日の琴勇輝戦では、相手の指が目に入り一時的に見えなくなったという。この日は首を絞められ、呼吸もままならないのが、土俵下の記者席からも見て取れた。まさに全身全霊。命懸けという言葉が大げさには聞こえない。だから観客も心を打たれる。

 支度部屋を去る際は「また明日頑張ります」。どの力士も口にする使い古された決まり文句。ただ、炎鵬が口にすると、ずっしりとした重みが感じられた。 (禰宜田功)

 

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